研究課題
CNC因子であるskn-1は、線虫C. elegansにおいて発現しており、抗酸化酵素、解毒代謝酵素、プロテアソームサブユニット発現を制御する転写因子である。skn-1のスプライスバリアントの一つであるskn-1は、哺乳類のNrf1のオルソログであるが、本研究では、skn-1a欠失C. elegansを利用して、全身性に酸化ストレス感受性亢進状態における、脂質代謝に関する解析を実施した。野生型およびskn-1a欠失C. elegansについて、LC-MSによる脂質メタボローム解析を実施したところ、skn-1a欠失C. elegansで、野生型と比較して脂質代謝に変動が生じていた。さらに、脂質の生体内分布を調べるために、質量分析イメージングを実施した。精密な評価のためC. elegansの凍結切片を作製して質量分析イメージング解析を行ったところ、脂質の種類により咽頭、腸、性腺などの生体内分布の違いを捉えることに成功した。さらに、これらの代謝変化の結果が生体の機能に及ぼす影響を調べるために、運動能を解析した。C. elegansが18時間で運動した領域、開始後15分間の放射状移動距離、開始後15分間の総移動距離の3つの方法により運動について評価を行った。18時間で運動した領域については。野生型と比較してskn-1a欠失C. elegansで大きく低下していた。開始後15分間の放射状移動距離については野生型とskn-1a欠失の間で有意な変化を認めなかったが、開始後15分間の総移動距離については、skn-1a欠失にて運動が低下していた。今後はC. elegansの運動・休止のサイクルに関する解析が必要であると考えられた。
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