研究課題
本国際共同研究の目的は、Glutaminase2 (GLS2)を介したグルタミン代謝の破綻が、生活習慣病や肝癌発症に関わるといった新知見を更に発展させて、その詳細な分子機序解明を検証することである。本年度は国際共同研究遂行のために必要な国内での研究(動物実験)の仕上げと、研究代表者が渡米中のマウス飼育を依頼するテクニカルスタッフのトレーニング、細胞管理のため専用液体窒素タンクの購入、千葉大学研究グループ内および事務・会計係をはじめとした各部門と連絡・認識の共有、国際共同研究のコミュニケーションインフラのためのネット環境の整備を行い、適切かつ迅速に研究が遂行できるように環境を整えた。そして研究代表者自身のビザ申請などの渡航準備を終え、現在、米国コロンビア大学 Biological Science研究室に渡米中である。渡米前に使用予定の研究マテリアルに加えて、渡米後すぐに研究に着手できるように、研究に必要な各種遺伝子のprimer set・vector・試薬など計画的に購入し送付した。渡米先のapartmentは共同研究者のPrives教授が大学の近くに確保くださり、生活・研究環境調整のための時間を大幅に短縮することが可能であった。渡米後、Prives教授と直接議論を重ね、より具体的な研究計画の作成に取り組み、実験手法を学び、In vitroのメタボローム解析とRNAシークエンスによるゲノムワイド解析の統合融合解析にとりかかった。またPrives教授の主催する様々な合同研究会を通じて第一線で活躍する多分野の研究者と研究ネットワークを構築し、まさにグローバルな視野で本研究を見直すことが出来た。渡米し短期間ではあるがこうした研究ネットワークを通じて、本研究は順調に進展しており、GLS2を介したグルタミン代謝の生活習慣病と発癌における分子病態解析につながる興味深い結果が得られている。
2: おおむね順調に進展している
順調に国内での研究環境を整え、本年度内に渡米し共同研究に本格的に着手することが出来た。共同研究者であるp53分野の先駆者・エキスパートであるCarol Prives教授の意見やそのネットワークによりこれまで多くの疑問が残っていた分子病態の解明に向けて、重要な結果が得られつつある。共同で論文執筆も開始しており、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
本来の共同研究の目的であったIn vitroのメタボローム解析・Flux解析による動的代謝解析とRNAシークエンスによるゲノムワイド解析の統合融合解析、論文執筆を軸とした研究の遂行を行う。更に渡米後明らかとなった新たな仮説の実証に挑戦し、真の分子病態解明を目指す。グローバルサイエンスの様子を的確に把握し、共同研究者との数々の議論を通じて本研究を更に推進していく。
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Oncogene
巻: impress ページ: impress
Oncotarget
巻: 8 ページ: 13872-85
10.18632/oncotarget.14681.