研究課題
光干渉断層計(OCT)は眼科領域で広く普及している技術である。特に緑内障は慢性進行性疾患であるため、この研究分野におけるOCTの評価には横断的研究も経時的な変化を評価する縦断的研究も重要であると考えられている。本研究費が採択され、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校ハミルトン緑内障センターと共同研究を行った。特に同施設では光干渉断層計(OCT)やOCTアンジオグラフィー(OCTA)についての臨床応用を世界に先駆けて行っていたこともあり、この分野に関連する論文や学会発表を数多く行うことができた。OCTAはOCTで複数回同じ位置で撮像した情報の位相差信号を抽出し、非侵襲的に網膜内の血管情報を抽出するシステムであり、2015年頃より急速に臨床応用されるようになった。同施設が所有している20年以上の眼底写真データ、10年以上のOCTデータに加えて、OCTAにおけるデータ解析も積極的に行った。具体的には初期緑内障眼では左右眼の血管情報が異なること、黄斑部では経時的にも毛細血管脱落が認められること、乳頭周囲部や黄斑部領域において緑内障発症後の視野感度と血管密度が関連していることを発見し、学会発表や論文で成果を報告した。
2: おおむね順調に進展している
当初の目的であった共同研究を行う体制を整えることができ、またこの分野での国際学会での発表や英文雑誌への論文出版を行うことができた。
今後はさらなるソフトウエアの臨床応用が期待できる状態であり、更なる発展が期待できる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件)
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