研究課題/領域番号 |
16KK0212
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
肥田 道彦 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60434130)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2022
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キーワード | 認知症 / 周辺症状 / 感情認知 / 機能的MRI / タウイメージング / ポジトロンCT / デフォルトモードネットワーク / 評価指標 |
研究成果の概要 |
認知症患者の周辺症状を理解するために、患者自身の感情の変化を知ることが重要である。我々は、顔の表情や感情声の認識について、感情の強さ、感情価(ポジティブかネガティブか)、感情のこもり具合の三要素を統合し解釈できる評価尺度の開発を行った。また、認知症症状が出現する以前にβアミロイドやリン酸化タウ蛋白の蓄積が生じることが知られている。しかし、アミロイドやタウの蓄積によって様々な脳機能がどのように変化するか検証されていない。我々は、分子イメージングによりタウが脳内に蓄積するとデフォルトモード・ネットワークの一部である後部帯状回と中脳背側間などの機能的結合が低下し脳機能が変化することを確かめた。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
われわれは、認知症の感情障害の評価のため、顔の表情認知および音声情動認知に関する評価指標の作成を行った。特に音声感情認知に関しては、これらの音声を用いて扁桃体や前頭前野を含む感情音の認識に特化した脳機能部位を検証し脳機能との関連を明らかにすることができた。さらに、認知症進行リスクにつながるタウ蛋白の脳内蓄積に関連した部位をタウイメージングで検証し、タウ蛋白蓄積時の脳機能について機能的MRIを用いて検証することができた。これらの研究は認知症の周辺症状出現時の非言語性情動認知時の脳病態の理解を深め、感情の不安定さの改善や周辺症状の予防につながる新たな評価指標の開発につながるものと考えている。
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