研究課題/領域番号 |
16KT0002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野内 類 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50569580)
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研究分担者 |
高野 裕治 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (00424317)
榊 美知子 高知工科大学, 総合研究所, 客員准教授 (50748671)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | 生活介入 / 最適化 |
研究実績の概要 |
【研究の背景】私たちの認知力は、加齢と共に低下していく。この加齢による認知力の低下は、高齢者の社会生活を困難にする要因の一つであり、認知症などのリスクファクターとして知られている。そのため、認知・運動・栄養介入などの生活介入を通じたと高齢者の認知力を向上させる方法には、大きな関心が寄せられてきた。 近年、生活介入の効果の大小には個人差があることが分かってきた。つまり、個人に合う最適化された生活介入プログラムを提供することができれば、生活介入の効果を最大限に引き出すことができる可能性がある。 【研究の最終ゴール】本研究のゴールは、高齢者の認知力を最大限に向上させる個人に最適化された生活介入を提供し、効果を検証することである。 【方法】150名の健康な高齢者を対象に4つの生活介入(栄養・認知・運動・プラセボ)を実施した。個人特性として、学際的な視点から認知機能検査・自律神経機能検査・運動検査・生活習慣などを聞くアンケート検査を実施した。ここで得られたデータを元に、個人特性と栄養・認知・運動介入よる認知機能・精神的健康の向上の関係を共分散構造分析などの多変量解析を行った。 【研究の特徴】本申請研究は、栄養・認知・運動介入が認知機能の向上に関係する個人特性を学際的なアプローチから研究し、包括的にそのメカニズムを解明する世界で初めての試みである。また、本申請課題は、申請者の専門分野である心理学と加齢科学に、栄養学・脳科学・医学・社会学などの最新の知見を組み合わせて、さらに応用しようとする文理融合の新しい展開であるネオ・ジェロントロジーの創成を目指すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知介入・運動介入・栄養介入などの生活介入プログラムを開発し、150名の高齢者を対象に生活介入をスタートしている。ただし、生活介入プログラムの開発・選定に想定以上の時間がかかったため、参加者が十分に集まっていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続的に参加者のリクルートをし、生活介入を継続する。これまで計測したデータについては、データの質の確認をしたのちに、予備解析を行う。さらに、事前に測定した個人特性などをもとに、介入の効果を最大限に引き出す予測アルゴリズムを機械学習(SVM)などを応用して作る。最終的に、予測アルゴリズムによって、生活介入の効果が高まるかどうかを新しい参加者データを使うことで確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
生活介入プログラムの開発・選定に想定以上の時間がかかったため、参加者が十分に集まっていない状況である。そのため、研究期間を延長し、参加者の数を増やす。 研究費の使用計画としては、心理検査冊子の購入(物品費)、成果発表のための学会発表(旅費)、被験者謝金(人件費・謝金)、被験者募集・論文掲載(その他)として使用する予定である。
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