研究課題/領域番号 |
16KT0003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大月 敏雄 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80282953)
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研究分担者 |
飯島 勝矢 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (00334384)
田中 敏明 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40248670)
大方 潤一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60152055)
西野 亜希子 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (60601961)
西出 和彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80143379)
孫 輔卿 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (20625256)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | 転倒防止 / バリアフリー / まちづくり / 医工連携 / 住宅 / 寝たきり / 骨折 / リハビリ |
研究実績の概要 |
医学・工学が分野横断的な研究チームを組み、住み慣れた自宅で転倒しても寝たきりにならないための物的環境要因と身体的要因を明らかにし、自宅で生活し続けられる住まいの提案を行うことを目的とし、今年度の計画としては以下の2つを予定していた。 まず「転倒アンケートデータ分析」については、文京区・横浜市青葉区・柏市における在宅高齢者で転倒負傷経験のある方につてのアンケートによって収集したデータを、医学メンバーを中心に分析し、医工で分析の手法や視点について議論し、研究成果を転倒予防学会等で発表した。 次に、同アンケート対象者のうち自宅訪問の許可を得た高齢者に対する「自宅への訪問調査からみる転倒時の環境把握」を行った。ここでは、工学系メンバーを中心に医学メンバーと共にインタビュー調査を行い、医工で事例の検討を重ね、研究成果を学会で発表した。 また2年目の2017年度に実施を予定していた、東京大学附属病院に転倒骨折で入院した患者を対象とした調査に関しては、医学メンバーが病院側と調整を行い、医工連携で転倒時の状況把握を今年度から開始することができた。そのため2017年度は、患者の退院後の自宅訪問調査を実施する予定である。 さらに、本研究チームが所属する東京大学高齢社会総合研究機構と、福岡県大牟田市が2017年2月に締結した、超高齢化社会に対応した研究推進についての包括協定をもとに、大牟田市がこれまで蓄積している各種情報(消防部署における、これまでの転倒事故に関わる詳細報告に関わる情報等)を利用した、転倒メカニズムに関わる分析と、転倒場所、転倒状況に関わる分析を通した、今後の、地域社会における転倒予防のための間協定案のための基礎的な情報収集を進めつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度予定していたアンケート分析と自宅訪問調査を実施し、その結果を学会で発表したばかりでなく、東大病院における調査の前倒し実施や大牟田市における調査といった、発展的な研究の準備にも着手することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、転倒による大腿骨骨折入院経験高齢者の実態把握することを目的とし、転倒・骨折で入院した経験のある高齢者を対象にインタビューを行い、身体的要因と環境的要因を明らかにする。対象地は、東京大学病院を対象とし、大腿骨を骨折し入院した患者を対象としており、2017年4月~2018年3月に実施する予定であったが、すでに平成28年度に予備的調査として一部実施を開始している。また、大牟田市においても同様な調査を追加的に実施し、異なる地域における情報を入手する見込みである。さらに、大牟田市においては消防署が記録している高齢者の転倒状況報告書のデータをもとに、日常生活における転倒の実態を把握したい。 平成30年度前期は、転倒の物的要因と身体的要因分析を目的とし、仮説を検証するため、1年目と2年目で得られた結果を比較分析し、転倒・寝たきりにつながる身体的要因と物的要因を明らかにする予定である。 平成30年度後期は、転倒しても寝たきりにならない住まいの提案に向け、研究成果を基に、身体能力に応じた住宅計画(住戸内空間のあり方)と転倒しても寝たきりにならないインテリア(照明、床材など)や転倒したことが外部に連絡できるシステムを住戸内に配置する提案を行う。
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