研究課題
[東大病院における大腿骨骨折による入院患者調査]転倒により大腿骨を骨折・緊急入院した高齢者を対象として入院中にインタビュー調査を実施し、どこで、どのように転倒したかを明らかにすることを目的としている。本年度は11例の病院調査事例が得られた。2016年度からの事例を合わせた43例のうち、転倒場所は自宅内が18例で最も多く、次いで自宅敷地外の15例、施設内の9例、自宅敷地内の1例となっていた。34例が女性で、12例がトイレ往復時の転倒であった。特に自宅での転倒の場合、18件中9件がトイレとの移動動作で起きていた。その結果、調査した中で自宅の住戸内の転倒が最も多いこと、自宅内ではトイレへの往復時に半数が転倒していることが判明した。転倒の仕方ではふらつきが43件中17件を占めた。また、全ての転倒の仕方にトイレ関連の転倒が含まれていた。[東大病院退院患者の退院後の追加調査]自宅訪問調査の同意が得られた患者の内、15例に対し、転倒場所の確認やその後の住環境の変化に関する追跡調査を行なった。本調査では、上記病院調査でインタビュー調査を行なった高齢者が、退院した後にどのような生活変化があったか、住宅改修を実施したか等の状況を調査した。15例の内、11例が自宅訪問調査、4例が病院におけるインタビューであった。その結果、転倒後に自宅改修を行なっていた事例が7例得られたとともに、全事例で転倒・大腿骨骨折後の生活変化等を把握することができた。[大牟田市における転倒調査]大牟田市消防本部の協力を得て、救急活動記録表のデータから転倒事例の抽出を行ない、その詳細な解析を行なった。その結果、東京都とのデータの比較から超高齢社会の日本で今後さらに高齢者が増えていく中で、自宅での転倒予防が求められていることが確認された。さらに、年齢別の転倒状況や怪我の重症度、転倒や骨折の危険度が高い場所等が明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
日本建築学会 住宅系研究報告会論文集,
巻: Vol.13 ページ: 65-70
The 12th International Symposium on Architectural Interchanges in Asia
巻: なし ページ: 420-424
Geriatrics & Gerontology International
巻: Vol.18, Issue 9 ページ: 1372-1377
日本建築学会大会学術講演梗概集
巻: なし ページ: 1259-1260