研究課題/領域番号 |
16KT0004
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
大原 一興 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (10194268)
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研究分担者 |
安藤 孝敏 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (00202789)
工藤 由貴子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (50331468)
妹尾 理子 香川大学, 教育学部, 教授 (20405096)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
江口 亨 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (60599223)
宮原 真美子 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90726754)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | 郊外住宅地 / 空き家 / 空き部屋 / 戸建て住宅地 / 多世代交流 / 転用 / ホームシェア / 継続居住 |
研究実績の概要 |
高度経済成長期に大都市周辺に開発された郊外住宅地では一斉に高齢化が進み、いわゆるNORC(自然発生的高齢者村)と呼ばれ、とりわけ戸建て住宅地では、介護施設やサービス施設のための敷地条件に乏しく、空き家が増加し、今後、多くの地域が直面することになる数々の問題が凝縮されている。高齢者自らが将来の地域社会や生活をデザインし、互いに支え合い多世代が住み続けられるまちの仕組みづくり、空き家・空き部屋を活用し再編を試みる。すなわち、住宅団地内に既にある各種の地域資本(空き家や退職者など)を再発見し、それらを活用し、社会的孤立を解消する異世代共生のしくみに転化し多世代交流型コミュニティを構築することを目的とし、その実現のための条件整備に関する調査研究をおこなう。 二年目の年度において、調査対象地は、前年度と同じK市I住宅地とY市T地域(+同地域ケアプラザ)を主とし、新たにY市S団地における学生居住の試みを加え、対象とした。 1)地域で住み続けたいとする高齢者自身が、老後の将来のビジョンを描きながら主体的に生活設計をするための勉強会とワークショップを開催し、とくに空き部屋を活用した異世代ホームシェアのしくみづくりに向けた検討を進めた。また高齢者自らが老後生活を計画するための学習のしくみづくりについて検討を進めた。 2)高齢単身化の傾向が進む中で、見守りのために他者が共生するための居室作り(ホームシェア)の条件等やIT機器やサービスによる対応について調査をおこない、そのための可能性について考察をした。また、高齢化の進む集合住宅地においては、空き住戸を学生に低家賃で貸し、高齢住民とともに地域活動をおこなっていく共生の仕方を試みた。 3)地域に点在する空き家を活用して介護拠点等の整備を提案し、民間事業者による運営にむけての転用改修、そのための空き家確保のための情報収集を町内会で検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
住民の意識は高まっているが、ホームシェアの具体的可能性についての模索をさらに進めたが、自宅を提供し実現のために動く家主はまだ現れず、試験的な体験入居にとどまっている。引き続き実現の機会をねらう。かわりに、学生の居住を集合団地に確保する異世代シェアの試みについては実施することができ、進捗状況の記録を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、実例として自宅を提供してくれる家主を探し、可能な時期に空き家転用による介護施設化と住宅の改築によるホームシェアを実現したい。 高齢化した団地において学生の入居による交流と活性化を試み、その条件や効果などを検証することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)次年度においても調査のフィールドとなる地域への活動を浸透させることに時間を費やし、ワークショップなどの開催が前年度の分を解消するまでに追いつかなかった。実際の空き家の調査はおこなったが、介護施設への転用改修やホームシェアのための改修工事は年度内には実施できておらず、その分の予算は実行できる時期まで繰り越すこととしている。 (使用計画)実際の住民の生活もあるため、時期は未定となっているが、機会をとらえてホームシェア試行の協力者を探し(体験入居までは実施できた)、実例となる改修工事を実施するつもりである。
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