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2016 年度 実施状況報告書

認知症談話における多様性と患者のQOL向上に向けた統合コミュニケーション研究

研究課題

研究課題/領域番号 16KT0010
研究機関福岡県立大学

研究代表者

網野 薫菊  福岡県立大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80757906)

研究分担者 豊田 謙二  熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60244802)
研究期間 (年度) 2016-07-19 – 2019-03-31
キーワード老人介護 / 非言語コミュニケーション / 言語コミュニケーション / コンテクストの構築 / 「なわばり」の認知カテゴリー / エピステミック・スタンス / 間主観性 / Care for Carer
研究実績の概要

研究分担者と共に介護現場への視察を行い、現場参与を行うとともに分野横断的に介護者・施設関係者・他の介護研究に携わる院生とフィードバックやディスカッションによりインサイト獲得に努めた。具体的には1月7日に福岡・老人介護施設『よりあいの森』において、介護代表者から施設概要や方針について説明を受けた上で、実際の施設内の視察や介護される老人との昼食や会話等を行った。その後再び、介護責任者や他の参加者と老人介護における「非言語・言語」の役割や有効性についてディスカッションを行い、入居者が共に時間を過ごす過程において入居者同士が言語なしのコミュニケーションを行うことでお互いの性質を知り、非言語コミュニケーションにおける「コンテクスト・文脈」のような共有知を形成している現象に焦点が当てられた。またその親密化する過程により見学者などの「ソト」に対して入居者同士を「ウチ」とする認知カテゴリー形成が行われることついて観察することができた。
さらには介護者が介護される者本人の自意識とは別に、介護というある意味心理的負担のかかる行為を日々継続するためか認知症や介護そのものの「コミカル化」という現象を通し、自ら「Care for Carer」としてのセルフ・ケアを行っていることについても考察を行った。当現象は平成28年度に日本ヘルスコミュニケーション学会第七回学術集会で発表した、「スタンステーキング(Oches,2002)」により"Subject"により"object"の解釈が異なり、それが認知症介護においては発話者の元来の「意図」について介護者による構築が見られることと関連するという行為との共通性を考察できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者がもともと計画した過程については遅れがある。理由としては次の2点によるものである。
1)研究代表者がベーシックインカムを喪失したこと
2)認知症患者のデータ収集について、医療施設へのアクセスが難航している

今後の研究の推進方策

平成28年度は老人介護施設における、非言語コミュニケーションについての現場参与観察を行い、他の専門的研究者と分野横断的フィードバック・ディスカッションを行うことでインサイトを得ることができた。
研究代表者の元来の研究計画についてはデータ取得が遅れているが、米マーケティング会社とのコンタクトを行うことにより速やかに問題の解決を目指したい。
またアルバイト等の力を借りることで、現場データへのアクセスを容易にすることを考えており現場への説明努力が今後も不可欠である。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者のベーシックインカム喪失により行動範囲が限られたこと、就職活動等他の活動に力を注がざるを得なかったため、当初の計画より研究が遅れている。

次年度使用額の使用計画

現在は米マーケティング会社とのデータについての譲渡交渉を続けている。またデータ取得についてコンプライアンスや個人情報についての提供者および提供者家族の意識の差により海外の介護施設にコンタクトを取ることも考えている。

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公開日: 2018-01-16  

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