研究課題
本研究の最終目的は,長寿先進国である日本において,とりわけ高齢化の進行した農村部在住高齢者におけるQOLに資する要因を、身体的領域,心理的領域,社会的関係,環境領域、医学的領域(医療,介護)から学際的に検討することである。そのため我々は、兵庫県丹波圏域在住の自立した高齢者コホートにおいて、フレイルの発症要因やフレイルを構成する各要素のスペクトラム、生活習慣のフレイルに及ぼすインパクト、さらにフレイルの診断に有用なバイオマーカーを明らかにすることを目的として、3年間研究を行ってきた。2016年春に本格始動した本調査研究は、順調に進行し、2018年中の参加者は362名で、これまでに本調査に1回でも参加した方は、合計で914名となった。2018年中は、特に初回の調査から2年以上が経過した方への追跡調査に力を入れた(計288名が参加)。2018年中に2回目の調査に参加できず、2019年の調査への参加も困難な方に対しては、2019年春に電話でのアンケート調査を実施した。2018年度は、2017年度までに本調査研究に初回参加した840名のデータを用いて、①生活習慣(食習慣、身体活動度)とフレイル・サルコペニアの関係、②口腔環境とフレイル・サルコペニアとの関係、③フレイル・サルコペニアのバイオマーカーの探索などの横断的な解析を行った。その成果を5報の英文論文、1報の邦文論文として発表し、様々な学会でも発表した。このように本研究は、総合的には2018年度も順調に進行し、興味深い成果を蓄積しつつあるが、唯一microRNA(miRNA)解析に関しては予定通りの成果をあげることができなかった。それはExiqon社に委託したmiRNAシーケンス解析とタカラバイオに委託したリアルタイムPCR解析の結果の不一致の原因がつかめていないことによる。今後のコホート研究継続によりこの問題を解決したい。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) 図書 (1件)
BMC Oral Health
巻: 19 ページ: 23
10.1186/s12903-019-0714-8
Arch Gerontol Geriatr
巻: 76 ページ: 41-47
10.1016/j.archger.2018.02.005
Clin Interv Aging
巻: 13 ページ: 1831-1836
10.2147/CIA.S175666
Nutrients
巻: 10 ページ: E1982
10.3390/nu10121982
Heart Metab
巻: 76 ページ: 8-12