研究課題/領域番号 |
16KT0038
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
三村 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 化学プロセス研究部門, 主任研究員 (50358115)
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研究分担者 |
佐藤 修 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 化学プロセス研究部門, 主任研究員 (20357148)
白川 博章 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50393038)
藤原 正浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 化学プロセス研究部門, 上級主任研究員 (90357921)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | 食品廃棄物 / 触媒反応 / CO2削減 / 技術の導入・普及 |
研究実績の概要 |
本研究の目的として、交付申請書には、「食品廃棄物を原料として、エネルギーと物質を製造する化学的物質変換の基盤技術を新たに構築し、食糧生産現場に持続的なエネルギーと物質を供給する、循環社会モデルの設計と提案を行うことを目的とする。本課題では、異分野の研究者が協調・協力して、それぞれ得意とするアプローチ手法をもって課題に取り組み、「技術開発」と「導入・普及シナリオの策定」の両面から研究を行う。」と記載した。 28年度は、「食品廃棄物から水素やプロパン・ブタン等の燃料ガス、および、アルケン類・芳香族などの化成品原料を製造する、エネルギー・物質の製造技術の開発」「国内外に存在する食品廃棄物の賦存量調査と回収率向上策の検討、および、開発技術を社会に向けて展開するための、導入普及施策の検討」「エネルギー・物質の循環マップを作成し、CO2削減効果の検討」に取り組む計画であった。 実績としては、論文や対外発表にまとめ上げる段階には達していないが、産総研と名大の打ち合わせを行い、研究の方向性、社会に発信していく方法等について、本課題のメンバー以外からも意見を聴取して議論した。また、特設分野の採択者・実施者らの発表・交流会ではこの特設分野を主導する立場の先生方から直接ご意見・ご指導を頂き、本課題の進むべき方向性が一層明確になった。本課題の成功のために、情報収集を進め、予算を用いて実験機材や薬品・ガス類をそろえ、計画書に記載した化学反応の実験的検討を進めた。地域の産学官の連携を促進するためのイベントに本課題の構想・内容に関する計画を出展して、東北地方の鉱工業や農林水産業にかかわっている人々よりエネルギーと物質の循環型社会の形成について意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
28年度は、産総研と名大の打ち合わせを行い、研究の方向性、なすべきこと、どのように発展させていくか、社会に発信していくかについて議論した。その後、各メンバーは方向性に従って研究を行っている。また、特設分野の採択者・実施者らの発表・交流会ではこの特設分野の中で主導的な立場の先生方から直接有益なご意見・ご指導を頂き、本課題の進むべき方向性が一層明確になった。28年度は本課題の成功のために、情報収集を進め、予算を用いて実験機材や薬品・ガス類をそろえ、計画書に記載した化学反応の実験的検討を進めているが、着手時期がずれ込み、実際に研究を行った期間が想定よりも短かったために、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
産総研―名大間の緊密な打ち合わせを継続するとともに、次回の特設分野交流会でも主導的立場の先生方からのご指導を頂き、研究の加速と方向性の微修正を行う。 実験的には、廃食用油からの水素+一酸化炭素製造を、予備的な活性試験から発展させて、小規模小型燃料電池を意識して触媒と反応器を設計して反応試験を行う。炭化水素合成反応は触媒の性質に大きく依存するので最適な触媒を幅広く調査して、有望な新規多孔体材料の活用などを試みる。超臨界法では反応条件の最適化、原料となる食品廃棄物に起因する生成物の組成変化などの調査を続行する。装置が整い、研究分担者が指導する大学院生が本テーマに取り組むので、遅れを取り戻す体制ができた。
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次年度使用額が生じた理由 |
通常業務が多忙であったため、研究を開始する時期がずれ込んでしまった。同じ理由で、産総研と名大の打ち合わせの日程が思うように取れなかった。また、研究所内の事情で実験室の移転を命じられたために研究代表者の担当する実験ができない時期が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
バイオマス原料全般において、粉砕処理(前処理)は重要なので、食品廃棄物の粉砕に用いる遊星ボールミル装置を購入して、前処理の効果を検討する。必要に応じて、触媒の分析装置を購入して、活性劣化等についての知見につなげる。反応実験を行うために、混合ガスを原料として用いるために購入して、効率的な進捗を目指す。打ち合わせを積極的に行いメンバー間の連携を一段と強化する(旅費の活用)。
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