研究課題/領域番号 |
16KT0038
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
三村 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50358115)
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研究分担者 |
佐藤 修 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (20357148)
白川 博章 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50393038)
藤原 正浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (90357921)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | 食品廃棄物 / バイオマス有効利用 / 再生可能エネルギー / 技術の導入・普及 |
研究実績の概要 |
ジメチルエーテルからプロピレンを合成する触媒開発をすすめ、有機ジシランを用いた表面処理が効果的であることを明らかにした論文が掲載された。ここでは、処理を行うことにより、H-ZSM-5ゼオライト(処理なし)の約2倍の目的生成物の収率が得られることを示した。超臨界ガス化法を、食品廃棄物の物質変換処理に適用すべく、モデル物質である「おから」およびその主構成物質である、グリセリン、脂肪酸、アミノ酸、セルロース等についての分解特性もあわせて検討した。更に検知管を用いて生成ガス中の有毒ガス(アンモニア、窒素酸化物、硫化水素)の有無についても調査した。この結果は日本化学会にて発表した。資源としての活用が比較的進んでいる食品廃棄物である廃食用油からのバイオディーゼル製造時に生じる廃液中のグリセリンの有効利用を目指す検討について、酸化反応に関する論文が掲載された。また、農業廃棄物である家畜の排せつ物等をメタン発酵で処理するプラントの建設計画地に赴き現地調査を行い農家や自治体の担当者からプラント計画にあたって生じた問題点等について聴取した。 廃食用油の賦存量及びリサイクルの状況を把握するため、主要な事業所からの発生量に関するアンケート調査等を行った。対象としたのは、愛知県内の病院、学校(愛知県内自治体の給食センター)、大規模店舗、コンビニエンス・ストアである。調査の結果、病院における発生量は4.1kg/床/年であった。給食センターでは児童一人当たり0.89kg/年、大規模店舗では、0.21kg/m2/年であった。コンビニエンス・ストアからの年平均廃油発生量は、0.81t/店/年などが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実地調査、実験等がほぼ計画通りに進捗し、一部の成果は学会発表や論文等で発表されている。また、未発表の調査結果についても、翌年度に追加的な分析を行い、発表可能な形で取りまとめられるような段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、当初の予定よりも一年延長した後の最終年度になる。延長の理由に記載したように、成果発表を重視して、これまでの調査結果や実験データを発表可能な形で取りまとめて、追加実験や補足的な調査を行うとともに、学会発表や論文投稿などを重点的に行う年とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由 物品購入時には、徹底した価格調査を行い、高品質で安価な商品の購入に努めた。また、旅費においても十分な事前調査や早期割引航空券の購入などにより可能な限りの節約を行った。 使用計画 現在、初年度から積み重ねた実験および調査の結果がまとまりつつある。そこで、その成果を取りまとめて、2019年度に開催される学会での発表や、論文投稿により成果を発信することで、本補助事業の目的をより精緻に達成するために予算を活用する。この際には、蓄積した実験結果の信頼性向上のため、および、論文投稿の場合には査読者からの指示・助言等により、追加実験・調査を実施する必要性が生じると見込まれる。
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