研究課題/領域番号 |
16KT0039
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
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研究分担者 |
藤屋 リカ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 講師 (40583935)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | ヘルスリテラシー / 学校保健 / 栄養問題の二重負担 / 肥満 / 低栄養 / 紛争地 / パレスチナ / 混合研究法 |
研究実績の概要 |
2016年度にヘルスリテラシーに関する質的研究のために収集されたデータを基に、論文の執筆を行った。2018年度に投稿予定である。 また、栄養問題の二重負担に関する量的研究のためのデータ収集を2017年9月末までに完了した。当初はパレスチナ内の学校を拠点としたアンケート調査・栄養調査を計画していたが、調査が夏期休業に重なってしまったため、学校には児童がおらず、調査の拠点をコミュニティに変更した。各家庭を訪問し調査をする作業に、移動が加わったため、必要人数のデータを収集するのに当初の予定より長い時間がかかった。 2017年11月には東京大学にてシンポジウムを開催し、研究分担者であるビルゼイト大学のRita Giacaman教授、UNRWAの清田明宏医師、中京大学の今野泰三准教授他を招いてパレスチナにおける健康の現状や国際的課題を紹介してもらい、討論を行った。パレスチナの健康状況の周知と問題に関する理解を深める目的が達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質的研究のデータ分析が予定通り進み、学術誌へ投稿する論文の執筆がほぼ完成した。現在著者の間で最終的な確認が行われている。また、量的研究のデータ収集も当初の予定より遅れたものの、平成29年度中に完了し、分析も順調に進んでいる。シンポジウムや国際ワークショップも開催し、パレスチナにおける健康の状況周知や課題への理解を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、既に分析の進んでいるヘルスリテラシーに関する質的研究について論文を完成させ、国際学術誌に投稿する。栄養問題の二重負担についての研究は、データを分析できる段階に到達したので、分析を進め、結果を論文としてまとめて国際学術誌に投稿する。量的研究については、収集済みのデータの質を確認し、分析に用いられる状態にしてからデータ分析を行う。この量的研究も質的研究と同様に論文にまとめ、国際学術誌に投稿する。さらに、Well-beingに関連する要因の分析も計画しており、この分析もまとまり次第、論文投稿を予定している。今年度中に合計三本の論文を執筆・投稿する予定である。 質的研究と量的研究の結果を踏まえ、本研究の最終的な総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、収集済みのデータの分析と論文の執筆を主な活動として予定している。平成29年度のデータ収集は順調に進んだものの、調査拠点を学校からコミュニティに変更したことで当初の予定より収集完了が遅れた。それに伴い、データのクリーニングや分析が遅れ、平成30年度に分析を完了する予定となっている。このための人件費を平成30年度に繰り越した。平成29年度からの繰り越し予算と当初から予定していた平成30年度の予算は、データ分析を依頼しているスタッフの人件費、学術誌への投稿を予定している三本の論文の出版費用、そして、国際学会への参加費用である。
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