研究課題
本研究プロジェクトの問題意識は、近年における紛争の性格変化の要因を解明しようとするものである。研究を進めるなかで、この現象の重要性についての理解が学術的にも一般的にも進んでいないことに気が付いた。この現象に着目し、その重要性に留意する背景には、紛争研究の方法論が深く関わっている。そこで、最終年度においては、紛争の性格変化について啓蒙的な論文を執筆する一方で、研究面では次の2つの作業を集中的に行った。第1に、事例分析を通じて紛争の今日的性格を把握することである。現在のアフリカで紛争が継続する代表的な地域であるコンゴ民主共和国を取り上げて、暴力に市民が動員されるプロセスに留意しながら、先行研究の議論を幅広く検討した。第2に、方法論的な精緻化である。地域研究の立場から紛争を研究することについて、方法論的な考察を深める努力をした。これらの作業のため、本プロジェクトのメンバーを中心とする研究会を数回開催し、意見交換を行った。上記作業の成果は、最終年度のうちに、研究代表者の論文という形で発表することができた(武内「近年のアフリカ政治経済」『地理』65(4): 64-70; 同「コンゴ民主共和国の歴史と紛争―難民発生要因の見取り図」『難民ジャーナル』8: 16-33; 同「アフリカ研究者の紛争研究―日本の国際政治学と紛争研究」『国際政治』200: 23-36.)。紛争の性格変化に関する議論をまとめる作業はプロジェクトメンバー間で続いており、プロジェクト終了後も継続する。最終年度においても、ライブラリアンをアフリカに派遣し、研究資料を体系的に収集した。これにより、現代アフリカにおける紛争研究の基盤をかなり整備することができた。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (6件)
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