研究課題
基盤研究(B)
血管ネットワークは体の各組織への酸素の供給など、生命活動の根幹的な役割を担う一方で、ガン転移過程にも深く関与する。本研究では血管ネットワーク形成の理解に向けて、特に血管リモデリングの研究を行った。ニワトリ初期胚が二次平面構造を呈するという利点を活かして、血流刺激が血管リモデリングを惹起する際の血流速度と血管内皮細胞挙動との連関解析を行った。結果、微小環境での血流のわずかな差がその後の血管パターンを規定することがわかった。
発生生物学
血管ネットワークは体の生命活動を支えるものであると同時に、ガン転移にも関与することから、血管ネットワーク、とくにその成立過程の理解は重要な課題と位置づけられる。血管形成過程では、①無秩序な構造をもつ原始血管網が作られ、②「血管リモデリング」によってダイナミックな再編成が起こり、③最終的に組織だった血管パターンが作られる。これまで②についてはよい解析系が無かったことからその理解が遅れていた。本研究ではこれらの課題を克服して血管リモデリングのしくみについて新規知見をえたことの意義は大きい。