研究課題/領域番号 |
16KT0074
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小柳 光正 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30379276)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | 生理学 / GPCR / 光遺伝学 / 光生物学 / ロドプシン |
研究実績の概要 |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、様々な刺激の受容体として細胞間相互作用の重要な役割を担う分子であるり、そのため生命機能の解明という基礎研究分野のみならず、創薬のターゲットとしても非常に注目され続けてきた。しかしながら、未だリガンドや生理機能との関連が不明なオーファンGPCRが多数存在し、GPCRが支える多様な生理機能の全容解明には程遠い。この理由の一つは、従来のGPCR研究がリガンド同定を中心に進められ、したがってリガンドが同定されなければ解析が進まないという点にある。 そこで本研究では、私たちが見出した多様なロドプシン(光感受性GPCR)を光スイッチとして用いることで、GPCRのリガンドを決めることなく光刺激を使ってGPCRが関与する生理機能を解析するという新しいアプローチを試みる。この手法によって、新規「GPCR-生理機能相関」が多数見出されると期待される。平成28年度は、以下の研究成果を得た。
・本研究で主に用いる異なる性質をもつ3タイプの光感受性GPCRそれぞれについて、活性化するGタンパク質の選択性を変えたキメラ変異タンパク質を作製し、in vitroの解析系を用いてそれらの機能性の評価を行った。その結果、3タイプの光感受性GPCRについて、異なるGタンパク質を効率的に活性化できる改変型光スイッチの作製に成功した。 ・オーファンGPCRの網羅的な解析と並行して、代表的なオーファンGPCRに狙いを絞り、光スイッチ導入のためのプロモーター配列の取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基盤となる光スイッチの開発については十分な成果を得ている。また、現在、遺伝子ノックインの系は構築中であるが、その間に並行して行っている、通常の遺伝子導入については順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、開発した光スイッチを随時導入し、得られた遺伝子導入動物の表現型解析を進める。また、表現型がわかっているGPCRや表現型がある程度予想できるオーファンGPCRについて解析を進め、本アプローチの有用性を示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度から取り組んだ遺伝子導入動物の作製において、実験は予定通りに進んでいるが、遺伝子導入動物作製費用の支出の大部分が、遺伝子導入系統が確立する次年度に発生することから、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度から取り組んでいる遺伝子導入動物作製費用として使用する。
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