研究課題
基盤研究(B)
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、様々な生命活動に関わる重要な受容体分子である。私たちは、機能未知GPCR(オーファンGPCR)の機能解明に向けて、光操作ツールを用いた新しい解析手法の開発を行った。光操作ツール候補として様々な動物由来の光受容タンパク質に着目し、分子特性の解明とツール開発、さらにその性能評価を行った結果、光入力によって不活性化するツール、色によって活性化と不活性化を制御できるツール、透過性の高い長波長光で作動できるツールの開発と培養細胞での機能性の実証に成功した。
光生物学、分子進化学、生化学
本研究によって、動物の光受容タンパク質をベースにした有望な光操作ツールが多数開発され、それらを用いることで、機能不明なオーファンGPCRを解析する道が開けた。GPCRは、ヒトに800種類存在し、多様な生命機能の解明という学術的興味だけでなく、創薬のターゲットとして医学薬学的にも注目されていることから、本研究で示した新しい解析手法はGPCRの研究を加速することで、社会に大きく貢献すると期待される。