研究課題/領域番号 |
16KT0085
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小澤 弘明 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (20211823)
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研究分担者 |
崎山 直樹 千葉大学, 国際教養学部, 講師 (10513088)
佐々木 綾子 千葉大学, 国際教養学部, 講師 (20720030)
水島 治郎 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30309413)
福田 友子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (40584850)
伊藤 尚子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任准教授 (60583383)
後藤 弘子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (70234995)
周 飛帆 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (80270867)
宮國 康弘 千葉大学, 予防医学センター, 特任研究員 (90734195) [辞退]
五十嵐 洋己 千葉大学, 国際教養学部, 助教 (90768300)
赤崎 美冬 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 外来研究員 (20830136)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | 人の移動 / ソーシャルキャピタル / 移民 / 難民 / 人身取引 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究計画期間の三年目として、これまで準備した量的調査の方法に関する検討と、倫理審査を経て、合計16言語によるアンケート調査を実施した。16言語は以下の通りである。アラビア語、インドネシア語、スペイン語、タイ語、タガログ語、トルコ語、ネパール語、フランス語、ベトナム語、ポルトガル語、ミャンマー語、ペルシャ語、韓国語、英語、中国語、日本語である。 この調査は、紙媒体では、平成30年9月から12月まで、ウェブベースでは、同10月から12月まで調査を実施した。およそ200件の回答について、自由記述欄の翻訳も行い、分析のための基礎を形成した。 また、このアンケート調査の実施をもとに、平成31年3月にはワーキンググループで結果の分析方法と方向性に関する検討を行った。しかしながら、分析自体の実施を完成させることができなかったため、研究実施期間を延長して最終分析を行うこととした。 さらに、日本におけるアンケート調査を比較研究の中に位置付けることを目的として、平成30年12月にイラクにおけるアンケート調査を実施し、シリア難民や国内避難民に関して知見を得ることができた。今後、日本のアンケート調査の結果との比較対照の作業を行うこととしている。また、平成30年8月にブラジル・サンパウロで開催されたブラジルへの中国系移民に関する国際会議に参加し、ラテンアメリカにおけるアジア系移民についての資料収集と現地調査も合わせ行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、16言語によるアンケート調査を実施し、合わせて国際比較のためイラクとブラジルの調査を進めた。 また、研究と教育の連携・架橋として、千葉大学全学教育センターの主催、国連UNHCR協会の協力のもと実施された難民映画祭2018に本研究のメンバーが協力し、「ソフラー夢をキッチンカーにのせてー」を上映するとともに、関連する公開授業を実施した。また、本科研のメンバーによって千葉大学の教養教育である普遍教育において、国際コア関連科目を開講し、研究成果の教育への応用に力を注いだ。 研究計画三年目の進捗状況という点から評価すれば、量的研究の実施と、比較研究の視座の獲得が行われた点は順調に進んだと言えるが、量的研究の評価及び質的研究との相互検討、国際比較の視座の検討という点では、なおいっそうの進捗が必要であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画四年目は、紙ベース、ウェブベース双方で行った調査分析をまとめ、合わせて関連する実務にたずさわる団体とのインタビュー等を通じて、研究の総合を実施したい。すでに必要な海外の事例研究・フィールド調査を行っているので、その成果との接続を図る予定である。理論的にも、本科研の主題は、ポピュリズムや非自由主義といった政治・経済体制によって大いに影響を受けることから、比較政治・経済分析の面からも検討を継続したい。 研究体制の構築との関連で言えば、平成29年に発足した千葉大学グローバル関係融合研究センター(本科研のメンバーが三名参加)との協力関係をさらに深めるとともに、同センターが有する研究資源や研究ネットワークを利用して、国内・国際の双方で研究の展開を図ることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、調査票の作成と翻訳の遅延から、調査それ自体の実施が遅れ、具体的なアンケート調査に手間どった。そのため、実際の分析作業を年度内に終了させることができなかった。次年度は、調査結果の量的な分析作業に研究資金を使用するとともに、インタビュー等の質的調査結果との照合を図る。同時に、すでに行った海外調査結果を踏まえ、国際比較の論点を整理し、まとめる。また、理論面での進捗状況を的確にまとめるため、若干の資料収集を継続的に行うことを予定している。
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