研究課題/領域番号 |
16KT0129
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
正宗 淳 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50706538)
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研究分担者 |
寺田 賢二郎 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (40282678)
平山 紀夫 日本大学, 生産工学部, 教授 (70582518)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | 均質化法 / コンパクト性理論 / CFRP / マルチスケール静的強度解 析 |
研究実績の概要 |
本研究の理論面に関する主目的である「曲がった空間(リーマン多様体)上での均質化法の展開」については,前年度までに得られた多様体上の均質化法のH収束の研究をさらに発展させ,とりわけ,H収束がモスコ収束を導くことを示した。モスコ収束は空間の変形理論において中心的な役割をするエネルギーの空間に関する位相である。この結果と主結果「任意のリーマン多様体上の有界な楕円型作用素の列はH収束についてコンパクトである」を合わせることで,「任意のリーマン多様体上の有界な楕円型作用素の列に対応する拡散過程の列から有限次元分布の部分収束列が選べる」が導かれる。すなわち,さらに,拡散過程に対応する測度の集合に対してタイト性が成立すると,拡散過程に対応する測度の弱収束まで成立することになる。また,H収束の極限の一意性は一般には成立しないが,ある対称性をもつリーマン多様体に対してH極限の一意性を示し,さらに極限を具体的に表現することにも成功した。
応用面については,代表的な非均質材料として一方向強化炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)を取り上げ,ミクロ構造を構成する炭素繊維および熱硬化性樹脂のそれぞれに対して破壊基準を設け,均質化理論を用いた数値解析を行うことによって,CFRPの各軸方向のマクロな破壊基準値を算出する方法を提案した。そして,CFRPの横断面内の繊維位置をランダムに変化させ,繊維配置の不均一性に起因するマクロな破壊強度のばらつきについても調査を行った。
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