研究課題
感染症流行の数理モデルを活用した研究の中でも、流行途中の分析や予測を実施するリアルタイム研究が最近までに盛んに実施されており、それは先進諸国において数理モデル研究の数ある応用研究の中で最も実装に成功しつつある研究分野である。新型インフルエンザ2009やエボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)などの流行研究の機会を契機に、リアルタイム研究レスポンスに関する研究が爆発的に増加し、欧米やアジアのいくつかの都市(香港・シンガポールなど)では数理モデルを利用した流行データの分析を素早いスピードで実施可能にすべく、研究拠点体制が整備されつつある。一方、日本および韓国は感染症数理モデルの応用研究体制が十分でなく、現に、2015年の韓国におけるMERS流行では観察データの数理的分析の第一報は韓国人研究者による発表ではなく香港大学の単独研究として報告された。日本での新興感染症流行の有事の際に備えて、日本の数理モデル専門家及び数理科学者が専門性を発揮することが求められる。初年度はジカ熱の流行に関するリアルタイム研究に取り組み、原著論文発表などの成果創出を行うことができた。2年度目はマダガスカルでの肺ペストやイエメンでのコレラ流行に関するリアルタイム分析及びリアルタイム予測、感染性推定、流行対策評価に取り組んだ。最終年度では、プレモデリング体制が確立することを受け、流行発生時の観察データの分析成果を創出することに注力した。研究成果が真に公衆衛生上で社会からの要求及び応用数理科学からの期待に応えることができるよう工夫し、地域レベルでの感染症流行状況の把握にも貢献できるよう成果の取り纏めを行った。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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