感染症流行の数理モデル研究は、流行途中の分析や予測を実施するリアルタイム研究では先進諸国を中心に実装面で成功を収めつつある。本研究は、数理モデルを流行前から準備するという意味でプレモデリングと称する計画であり、リアルタイム流行分析に特化した数理モデルの構築と観察データの収集、統計学的分析に関して方法論的基盤・数理的研究手法を確立することを目的に実施した。マダガスカルにおける肺ペスト流行やイエメンでのコレラ流行、バングラデシュにおけるジフテリア流行など、突発的流行を通じた研究機会に恵まれた。プレモデリング体制が徐々に確立することを受けて、流行発生時の観察データの分析成果を創出することに注力した。
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