南三陸町志津川湾での野外調査より,浮遊性粒状有機物の各サイズ画分の化学的組成(脂肪酸組成,生元素安定同位体比等)の季節変動および空間分布のパターン,およびそれらへの外洋水・河川水流入やカキ養殖場の影響が明らかになった.また,栄養塩負荷と水温上昇に対する各サイズ画分粒子の生産性の応答,およびを粒状有機物の質・組成とその酸素消費活性を屋内実験により検討し,粒状有機物の生産・分解過程についてサイズ画分ごとの環境変動への応答特性が整理された. 今後は,粒子サイズおよび脂肪酸動態の視点から粒状有機物動態をモデル化することで,生物地球化学的過程や養殖生物の生産性をより高い精度で評価できることが期待される.
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