研究課題/領域番号 |
16KT0152
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
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研究分担者 |
吉永 龍起 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (30406912)
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70291416)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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キーワード | ウナギ資源 / 総合的資源フロー / モデル分析 / 持続的利用 / ニホンウナギ |
研究実績の概要 |
平成29年度は,ニホンウナギの自然科学的側面に関する研究内容として,前年度に引き続き生活史の確認と生態モニタリング調査の状況について調査を行った.わが国においては,公的機関などによる大規模なニホンウナギの資源量に関する実態調査は実施されておらず,一部の大学および関係機関による小規模な生態モニタリング調査が行われていることから,それらの調査内容やデータに関してヒアリング調査を実施した.特に,比較的継続的に実施されている調査地域のモニタリング結果についての状況を把握した.今後はそれらの情報をもとに分析を行う予定だが,データの精度に問題があるということが明らかになったため,別のアプローチによる分析も検討してゆくことが課題となった.今後,より詳細にデータを確認し検討する予定である.一方,社会科学的側面に関する研究としては,産業連関分析の枠組みにおいて,ウナギ産業に関連がある内水面漁業・養殖業を対象として,まずは同部門への投入・産出構造を明らかにすること,さらには他の産業への経済波及効果を推計することを目的とした解析を進めている.より詳細にウナギ産業および関連産業を特定化して分析し,わが国の経済社会でウナギ資源がどのように利用されているのか(例えば食品部門やサービス部門などの関連産業部門における資源の利用形態や経済的影響など)や,それらを含めた産業規模について,計量的に分析することが必要である.その上で,資源量と社会的利用量との関連性を分析する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度のウナギ資源に関する情報収集の遅れの影響とあわせて,現状では資源データの存在がなく,推計なども困難であることが明らかになったが,一部で実施しているモニタリング調査の情報や漁獲データをもとに利用可能なデータを新たに収集している状況である.経済分析に関しては,関連産業についてのデータが断片的であり既存データの加工に遅れが出ているが,利用可能なデータをもとに産業連関分析を実施している.
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今後の研究の推進方策 |
資源量については,精度に問題があると考えられるが,共同研究者らが実施しているモニタリングのデータや,漁獲データをもとに何らかの方向性を模索して分析を進める予定である.経済分析については,産業連関分析を中心にウナギ産業の規模や経済的影響に関しての分析を実施する予定である.実際の消費量との関係を分析し,日本市場でのウナギ産業による資源必要量などについて検討したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた資源量データに関する情報収集のための調査が実施できず,翌年度に調査を行うこととしたため.また,調査にともなって実施する分析についても同様に遅れが生じたため.
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