研究課題/領域番号 |
16KT0156
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
竹川 大介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (10285455)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | 捕鯨 / 葛藤解決 / 環境問題 |
研究実績の概要 |
8/8~8/13には和歌山県太地町において捕鯨関連の講演をおこない、捕鯨漁師や関係者への聞き取りを進めた。日本における環境保護団体と捕鯨者との紛争に関する事例や、現状、今後の展開についてデータを収集した。太地では以前に比べて紛争に到る事象は減少しているが、今でも局地的な問題は残っており、そうした火種を今後どう扱うかについて、現地の人の考えをきいた。 8/23~9/21には、研究協力者をバヌアツ共和国に派遣し紛争事例の調査をおこなった。調査ではローカルコートに関する事例を収集し、物語実践による紛争解決に関する考察を進めた。太平洋の島嶼部での小さなコミュニティにおけるこうした事例を複数地域で比較することで、紛争解決の手法に関する分析が可能となった。 8/26~9/4には、アメリカワシントン州での環境認証評価にかんする聞き取り調査をおこなった。とくにサケという海産資源をめぐる地域の取り組みについて聞き取りをおこなった。 1月には、太地の捕鯨問題をあつかったドキュメンタリー映画「おクジラ様」を上映し、映画の出演者を大学にまねき講演をおこなった。講演の後、海外での環境保護団体に関する事例について検討する研究会を開催し、とくにドネーションをもとにした資金調達の実態についての情報交換をおこなった。世界各地に展開する環境保護団体の運動戦略には、共通する点も多く、その中には問題性が残る方法論もおおく見られる。こうした問題が引き起こすグローバルとローカルの間の紛争について、考察を深め解決に向けての糸口を探りたいと考えている。 上記のフィールド調査に加え、インターネットやメディアでの取り扱われ方の分析を進め、紛争当事者以外の介入についても検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外におけるフィールド調査をおこなう時間が十分にとれていないが、国内調査を中心におおむね計画通りに研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
海外研究者と協力して研究会を開催し、海外での環境保護団体とローカルとの紛争事例をさらに多く収集する。また、ソロモンおよびバヌアツでのフィールド調査をおこない、研究課題のイルカ漁を巡る紛争に関する最新の状況を把握する。 3年間の調査と考察を元に報告書をまとめ成果発表の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を最終年度に繰り越したため次年度使用額が生じた。最終年度に計画的に執行する。
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