研究課題
本研究は、大規模電子状態計算を用いて、創薬分野の実験技法である「遷移状態アナログ」分子による化学反応制御法に対して、理論計算による設計指針の提案とその技術化(インシリコ創薬技術化)する事を目的としている。本研究課題を通して、創薬分野の実験技法である「遷移状態アナログ」分子の設計思想を、大規模電子状態計算と遷移状態探索法を組み合わせることで、インシリコ創薬技術の開拓に向けて取り組むという実験と理論の両思想を相補的に活用し問題解決を目指すものである。具体的な手順を以下に示す:①生体分子-反応制御分子系の反応前後の構造を決定する。②その初期構造を用いて、NEB法を用いた電子状態計算から遷移状態(近傍)と反応経路を求める。③遷移状態(近傍)の構造の電子状態解析を行い、有意なデータより理論の構築や分子設計指針を検討する。④手順③の情報の有意データから分子設計指針を検討する。令和元年度では、昨年度までに整備した量子化学計算ソフトウェアに遷移状態探索計算プログラムを用いて、手法の応用として昨年度より開始したシトクロムP450-代謝化合物の系の更なる計算を進めた。代謝化合物の反応部位と代謝反応過程における反応経路の詳細を調べるとともに、化合物自身が潜在的に持つ反応性指標との関連性を数値的に示した。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Physics: Conference Series
巻: 1290 ページ: 012021~012021
10.1088/1742-6596/1290/1/012021