現在、国内外では、自然界で観察される共生関係がいかに安定に維持されているのか、ということに対する研究は多くなされている。一方、本研究は、そのような関係がいかに創出され得るのか、また、それらが安定に発展し得るのか、という創出原理を明らかにしようとしている点で他の研究とは大きく異なる。本研究成果は、寄生関係にある大腸菌と溶菌ファージによる共存系を実験室内で合成生物学の手法で構築した。本システムを長期間継代することにより、生物間相互作用の創生やそれが持続発展するしくみが明らかになることは、現存する生物解析から得られることとは違う視点で、生物の自然法則に知見を与えることに貢献するものである。
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