研究成果の概要 |
p38の活性変動をIn vivoで非侵襲に計測するために装置を開発し, 論文化した. これらを用い, AVAニューロンにおけるp38の活性計測を行ったが, p38活性変動が検出されなかった. この理由として, 生化学的に観察されたp38の活性変動は腸などの発現量の多い細胞種における活性変動を反映していた可能性がある. そこで現在, 実際に記憶形成を促す振動刺激によるトレーニングを行い, AVAニューロンに発現させたプローブの蛍光強度に変化があるかを観察している. 一方, 遺伝子発現制御ツールをAVAニューロンに発現させた線虫株の作製に成功した. 現在, 記憶形成能への影響を評価している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既に生化学的実験からは記憶媒体と予想される分子メカニズムを捉えているが, 本研究では, これを構成的に理解するために, 計測系と操作系を作製までは行ったが, 実際の線虫の記憶操作までには至らなかった. しかしながら, 今後, これを継続し, 仮に記憶操作まで至れば, これまでの要素還元主義的なアプローチとは異なる切り口により, 記憶の分子メカニズムを示すことができることから, 学術的・社会的に大きな意義が期待される.
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