研究課題
平成30年度においては、前年度から研究協力者らとともに進めてきた、1)蛍光標識した細胞と微分干渉画像データから内皮細胞の一細胞運動動態と細胞形状変化を自動抽出する機械学習ベースの方法論の確立、2)得られてきた画像を基に、テンソル分解と主成分解析を合わせた手法を用いた細胞運動の定量解析系の構築、さらに、3)同方法を用いて、細胞運動に必要なF-アクチンの制御分子の一つである低分子GタンパクRac1をノックダウンしたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)の運動パターンの定量評価、に関して論文化を進め、ほぼ投稿できる段階までに来ている。また、ペリサイトの内皮細胞運動への作用に関して、マウス大動脈組織から独自に単離・調製した血管内皮細胞とペリサイトを用いたスフェロイド血管新生再現培養系、および、HUVECとヒト胎盤由来ペリサイトを用いた微小流体デバイス血管新生再現モデルにて、検討を行った。両方の系において同様に、ペリサイトは内皮細胞による血管新生を促進し、それは、ペリサイトの存在により内皮細胞の1軸の極性形成(血管新生枝の長軸方向に細胞が変形する)が増強することと、方向性運動が促進されることと関連していることがこれまでに分かってきた。現在、ペリサイトの血管新生促進作用、1軸極性形成増強、および、方向性運動促進の因果関係と責任分子に関して検討し、ペリサイトによる血管新生促進メカニズム解明を進めている。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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