• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

生体リズムによる多細胞体構築原理の理解

研究課題

研究課題/領域番号 16KT0177
研究機関東邦大学

研究代表者

村本 哲哉  東邦大学, 理学部, 講師 (10612575)

研究分担者 上村 陽一郎  国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 上級研究員 (20321599)
研究期間 (年度) 2016-07-19 – 2019-03-31
キーワードライブセルイメージング / 遺伝子発現動態 / シグナル伝達
研究実績の概要

これまで生細胞内で転写動態を長時間可視化する「遺伝子発現動態計測技術」を開発し、未分化状態では無秩序な振る舞いに見える遺伝子の転写動態が、発生分化が進行するに伴い細胞集団で同調的なリズムを生み出しながら多細胞体構築する様子をとらえることに成功した。そこで、多細胞体構築プロセスのダイナミックな振る舞いについて、その生体リズムを制御する因子の動態解析をDictyostelium細胞を用いて実施している。
今年度は、まず多細胞体構築開始段階で転写制御因子のイメージング解析を行った。ここでは、ゲノム中に存在する162種類の転写制御因子の発現株を作製し、発生分化過程でのイメージング解析を行った。現在までに約半数を超えるその発現株について解析が終了している。その結果、周期的に局在変化を示す転写因子が発見されたほか、発生分化過程で局在変化を示す転写制御因子が同定された。引き続き、残りの発現株の解析を実施している。
次に、リン酸化タンパク質の動態解析について、予定していた①リン酸化が恒常的なタンパク質、②リン酸化が増加するタンパク質、③リン酸化が減少するタンパク質をリン酸化抗体により同定することができた。また、このうちそれらのリン酸化を触媒するタンパク質キナーゼも明らかにすることができた。リン酸化タンパク質の解析について効率よく実験計画が進行したため、来年度に予定していたリン酸化タンパクの蛍光プローブ開発に着手している。現在までに、複数のコンストラクトを用いた検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

転写制御因子の解析では、予定されていたゲノム中に存在するすべての解析が完了していない。しかし、これまでに解析した中から周期的な局在変化を示す転写因子が見つかるなど、興味深い結果が得られている。また、リン酸化タンパク質の動態解析については、すでに次年度予定していた研究計画を実施中である。

今後の研究の推進方策

生体リズムを制御するリン酸化タンパク、転写制御因子および転写動態という一連のシグナル伝達の流れを定量的に計測する多分子動態計測技術の開発を進める。そのために、周期的な局在変化を示す転写因子やリン酸化検出プローブの開発を精力的に進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度計画していた「リン酸化タンパク質の動態解析」について、リン酸化抗体により目的のタンパク質を同定することができた。想定より効率よく実験計画が進行したため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

未使用額は、次年度以降に予定しているリン酸化タンパクの蛍光プローブ開発を効率よく進めるための経費として充当する計画である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 走化性シグナル伝達における三量体Gタンパク質シャトリングを介した制御機構の研究2017

    • 著者名/発表者名
      上村陽一郎
    • 学会等名
      長崎大学医学部共同利用研究センターセミナー
    • 発表場所
      長崎大学(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-17
    • 招待講演
  • [学会発表] Structure understanding of Gip1-dependent trimeric G-protein shuttling for eukaryotic chemotaxis2017

    • 著者名/発表者名
      Yoichiro Kamimura, Takero Miyagawa, Yasuhiro Koteishi, and Masahiro Ueda
    • 学会等名
      Gordon research conference, "directed Cell Migration"
    • 発表場所
      Hotel Galvez, Texas, USA
    • 年月日
      2017-01-22 – 2017-01-27
    • 国際学会
  • [学会発表] 周期的な局在変化を示す転写因子の細胞内動態解析2016

    • 著者名/発表者名
      岡野由里、船江聡子、村本哲哉
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-12-01
  • [学会発表] 発生分化における短周期発現振動を示す遺伝子群の同定とその解析2016

    • 著者名/発表者名
      菊地亜紀、清水祐季、村本哲哉
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-12-01
  • [学会発表] 走化性の応答レンジを調節する三量体Gタンパク質のシャトリング制御2016

    • 著者名/発表者名
      上村陽一郎
    • 学会等名
      FBSコロキウム
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府・吹田市)
    • 年月日
      2016-11-16
    • 招待講演
  • [学会発表] The molecular basis of heterotrimeric G-protein shuttling2016

    • 著者名/発表者名
      上村陽一郎、上田昌宏
    • 学会等名
      第6回日本細胞性粘菌学会例会
    • 発表場所
      上智大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2016-10-16
  • [学会発表] 細胞性粘菌での CRISPR/Cas システムの利用2016

    • 著者名/発表者名
      関根僚也、村本哲哉
    • 学会等名
      第6回日本細胞性粘菌学会例会
    • 発表場所
      上智大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2016-10-16
  • [学会発表] 転写因子の細胞内動態解析による多細胞体構築機構の解明2016

    • 著者名/発表者名
      岡野由里、船江聡子、川田健文、村本哲哉
    • 学会等名
      第6回日本細胞性粘菌学会例会
    • 発表場所
      上智大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2016-10-15
  • [学会発表] 転写ダイナミックスの世代を超えた継承の解明2016

    • 著者名/発表者名
      菊地亜紀、村本哲哉
    • 学会等名
      第6回日本細胞性粘菌学会例会
    • 発表場所
      上智大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2016-10-15
  • [学会発表] 発生分化における短周期発現振動を示す遺伝子の探索と解析2016

    • 著者名/発表者名
      清水祐季、菊地亜紀、平岡真奈、村本哲哉
    • 学会等名
      第6回日本細胞性粘菌学会例会
    • 発表場所
      上智大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2016-10-15
  • [学会発表] 細胞性粘菌 lncRNA の動態解析2016

    • 著者名/発表者名
      嵯峨幸夏、橘高昂平、田向沙樹、栗原直也、島田奈央、村本哲哉、川田健文
    • 学会等名
      RNAフロンティアミーティング
    • 発表場所
      いこいの湯宿 いろは(北海道・ニセコ町)
    • 年月日
      2016-08-31

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi