研究課題/領域番号 |
16KT0181
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
|
研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
|
キーワード | グローバル・ヒストリー / 経済史 / 貿易史 / 交流史 / 世界の一体化 / プランテーション / 東インド会社 / 消費文化 |
研究実績の概要 |
世界的にはグローバル・ヒストリー研究は活況を見せている一方、日本ではグローバル・ヒストリー研究の立ち遅れがみられる。そもそも世界史ではなくグローバル・ヒストリーであることの意義は、その語の原義がglobe、すなわち地球であることを考えみればよい。あえて地球規模からのマクロな分析を志向するのが本来のグローバル・ヒストリーであるのに対して、日本でのグローバル・ヒストリー研究はミクロなレベルの研究の集積程度に考えられているのである。こうした国内外の状況を背景に、本研究は16世紀から19世紀という期間において、地域的に全世界を対象とし、グローバル商品15品目の生産、流通、消費文化を検討する。さらに、グローバル商品の消費方法などをもとに文化圏を析出し、世界が多様な文化圏から構成されており、グローバル化の進展にもかかわらず、消費の立場からは多極化する傾向を持っていたことを明らかにする。いずれにせよ、消費の地域的、文化的差異に注目し、モノの生産のグローバル化と、消費文化の反グローバル的な多様性を析出することで、世界の一体化の初期局面を分析し、グローバル化の意味を歴史的に問うことを目的とした研究である。 4年間にわたる研究計画のうち、2018年度は第3年度目にあたる。2018年度は、研究事項1「グローバル商品の生産、流通、消費自体の分析」のうち、とくに、綿布、生糸、蘇木等の分析を実施した。これらの各商品については、前年度同様、広範に先行研究を追うとともに、オランダ東インド会社文書等、オランダ国立公文書館に所蔵する史料を分析の対象とした。なお、国際会議等で研究成果を報告するほか、3本の論文等を公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りのテータ収集や分析を実施することができ、また、論文の公表や口頭報告などを行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
計画通りに研究を実施するが、2019年度は最終年度に当たるため、総括的分析ならびに研究成果の公表に重点を置くこととする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終的な成果を取りまとめるため、次年度に補足の史料調査ならびに国際会議報告を海外で行う必要が生じたため。
|