研究課題/領域番号 |
16KT0186
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下田 恭美 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (30746483)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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キーワード | モビリティ / 繋がり / ネットワーク / 知識循環 / 国際開発 |
研究実績の概要 |
2018年度は、主に海外でインタビュー調査を実施すると共に文献レビューも継続して行った。8月末に実施した海外現地調査では、スリランカで開発プロジェクトに携わっている開発実務の経験が豊富な日本人数名を対象としたインタビューがかない、彼らのライフヒストリーと合わせて現在のプロジェクト等について聞取りを行った。また、同期間にインドネシアも訪問し、長期にわたって日本の援助関係者・機関等と開発プロジェクトに関わり、日本の知見を地方開発に応用してきた現地NGO所属のインドネシア人数名をインタビューした。外部からもたらされた開発実践に係る知識やスキルがどのように継承されているかを中心に聞き取り調査を行った。インタビュー数は予定を下回っているものの、質的にはよいデータが収集できている感じている。これは、対象者のスケジュールを尊重し、可能な限り負担のない形でインタビュー調査を実施するよう心掛けていることと関係していると思われる。許可を得て録音したデータは、テープ起こしおよびNVivoを用いたコーディングにより分析を進めているところである。 研究代表者が新しい所属機関に異動となり、業務内容に大幅な変更があったため、残念ながらデータ収集の遅れをとり戻すまでには至っていない。しかし、分析したデータの一部については、海外の学会等で発表する機会があり、中間報告のような形で成果の発表を行い、専門家等との意見交換やアドバイスを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
国内外でのインタビュー調査を通じて、質のよいデータが収集されてきている。分析結果の一部を海外の学会等で発表するなど、成果も少しずつではあるが出ている。しかし、本年度までに研究代表者の二度の所属機関変更により通常業務に大きな変化があったこと、怪我で調査予定の変更を余儀なくされたことなどにより、予定してたデータの収集・分析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
日本人の開発実務者に対する聞取り調査を継続することを予定している。「質」を重視したデータを収集しつつ、これまでのデータと合わせて分析を行い研究を進展させたいと考えている。また、これまで同様、対外的な成果の発信を心がけ、専門家の意見を仰ぎつつ分析を深めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
一昨年度に続き昨年度も研究代表者の所属機関の変更があり、通常業務に大きな変更が生じることとなった。そのため、インタビュー対象と考えていた相手との日程調整が難しくなり、予定していた調査の実施が困難になったことで次年度使用額が生じることとなった。国内在住者を含め、海外でも聞取り調査を継続する必要があるため、そのための経費を賄うために使用する予定である。また、学会等に参加して対外的な発信をしたいと考えており、それに伴って必要となる英文校閲や渡航費等に使用することを予定している。
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