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2016 年度 実施状況報告書

人工物を強化するための社会的制約条件

研究課題

研究課題/領域番号 16KT0189
研究機関関西大学

研究代表者

斉藤 了文  関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)

研究分担者 吉田 敬介  九州大学, 工学研究院, 教授 (60191582)
研究期間 (年度) 2016-07-19 – 2019-03-31
キーワード人工物 / 技術論 / 社会システム / 200年住宅 / 自動運転車
研究実績の概要

「人工物を強化するための社会的制約条件」が本研究課題であるが、現在2つの事例について資料を収集しつつ考察を進めている。
一つは、建築に関する事例であり、200年住宅として知られるものである。建築におけるメンテナンス(システムのサステナビリティ)は、大きなテーマになっており、システムのサステナビリティを考える事例の基本となりうる。ただ、現代の空き家問題は、建物がサステイナブルであっても、問題の解決には寄与しないかもしれない、という意味で奇妙な環境条件になっている。
もう一つは、自動運転車である。これは技術的問題の多くは解決されつつあるようだが、倫理的、社会的、法的問題は残っている。これがどういう射程を持つかを考えることがサステイナブルの問題でもある。
なお、更にまた区別種の第三の事例を探索中である。今のところ関心を持っている事例は食品である(できるだけ多様な事例を考えている)。食中毒や病虫害に耐えるものを作るというのも、食品という人工物を強化する枠組みの事例となりうる。ただ、この場合にも食料危機や水不足に対する対応が基礎として必要になる。ここにおいても広大な問題領域が残ることが予想される。まだ考え通してはいないが、一つの可能性として考えている。
現在、これらの考察の基礎をなすはずの技術論を、著書として執筆中である。これは、2017年中には出版できるはずである。既存の技術論の枠組みでは捉えがたい問題を理解するための枠組みを作るための試みがあらかじめ行われている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は3回研究会を開いた。そして数回に及ぶ研究会に出張参加した。
当然、科研のテーマと一致する研究がおこなわれているわけでもないので、その周辺に当たる研究の探索を行ってきた。そのために、多様な研究の調査をすることにもなった。まだまだ多様な分野の調査が必要となっている。200年住宅と自動運転車については資料を収集中だが、そこからの教訓を引き出すまでには至っていない。(安易な結論は有害だろう)。
また、現在のところ資料収集の段階であるために「遅れている」という評価も可能だが、どのように全体の枠組みを作るかが問題であるために、個人的な感想としては「順調」だともいえる。

今後の研究の推進方策

サステイナブルなシステムを作り上げることが私の課題ではなく、いわばサステイナブルでなくなるための社会的な制約を探ることが大きな方向性となっている。
そのために、現実の多様な事例を収集しつつ、それらをどういう枠組みのもとにまとめ、整理できるかが次の課題である。
まとめ方のポイントの発見が、大きな目標となっている。

次年度使用額が生じた理由

翻訳に関する仕事の完了が3月いっぱいになるということなので、その分を含めて次年度に使うことにした。

次年度使用額の使用計画

翻訳に関する仕事についての支払いを済ませ、通常の研究計画に復帰する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 人工物を作るという視点はどう効くか2016

    • 著者名/発表者名
      斉藤了文
    • 学会等名
      日本工学教育協会大会
    • 発表場所
      大阪大学吹田キャンパス(大阪府)
    • 年月日
      2016-09-06

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公開日: 2018-01-16  

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