研究課題/領域番号 |
17001001
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
新井 正敏 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主席 (30175955)
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研究分担者 |
山田 和芳 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (70133923)
社本 真一 J-PARCセンター, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (90235698)
横尾 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (10391707)
永崎 洋 J-PARCセンター, 産業技術総合研究所エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (20242018)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 中性子散乱 / 4次元空間中性子探査装置 / 4次元空間中性子探査装置 / J-PARC / チョッパー分光器 / 鈍良単結晶育成 |
研究概要 |
1. 4次元空間中性子探索装置(4SEASONS「四季」)の建設 平成19年度に引き続き装置の建設・整備を進め、遮蔽体、中性子ガイド管、検出器の一部等主要機器の設置を完了した。これにより中性子ビームの受け入れが可能となり、中性子ビームを用いた装置調整を開始し、検出器調整、バックグラウンド測定、ビーム強度測定、中性子回折パターンの測定等を行った。 2. 試料作成環境の構築と試料作成 原子力機構および産総研において鉄砒素系高温超伝導体PrFeAsO_<1-y>およびHg系銅酸化物高温超伝導体HgBa_2CuO_<5+δ>の単結晶育成を行った。前者については1mm角程度の板状結晶、後者については数mm角程度の大型良質単結晶の育成に成功した。一方、東北大学ではBi2201系高温超伝導体の大型単結晶育成が進み、フラックス法によるYBCOの単結晶の育成も開始した。 3. 酸化物高温超伝導の実験研究 国内外の中性子源施設において酸化物高温超伝導体の実験を行った。Bi2201系では、初めて磁気揺らぎの観測に成功し、高エネルギー励起の存在、それらのドーピング依存性など重要な情報を得ることができた。LSCO系では、広い組成領域でFe置換によって磁気秩序が誘起されることを突き止め、超伝導の競合状態として非整合磁気秩序が普遍的に存在する可能性を示した。電子ドープ系銅酸化物では、電子ドープされた反強磁性磁気秩序相の磁気揺らぎを初めて観測できた。さらに、鉄砥素系高温超伝導体では、その母相LaFeAsOの粉末試料において2次元的なSDWのスピン相関に相当する磁気散乱ピークを観測し、それが正方晶の室温付近まで存在することを明らかにした。 4. 研究会 国際ワークショップ「Inelastic Neutron and X-Ray Scattering in Strongly Correlated Electron Systems」を東北大学金属材料研究所、Spring-8と共同で開催した(2008年10月1-3日)。
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