研究課題/領域番号 |
17002003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 英行 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90030030)
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研究分担者 |
矢向 謙太郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50361572)
下浦 享 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (10170995)
上坂 友洋 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (60322020)
川畑 貴裕 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80359645)
井出口 栄治 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (80360494)
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キーワード | スピン・アイソスピン応答 / 時間領域 / 不安定核 / 高分解能 / 磁気スペクトロメータ / 二重ベータ崩壊 / (p, n)反応 / 分散整合 |
研究概要 |
不安定核ビームによって誘起される発熱型荷電交換反応を用いて時間領域における原子核のスピン・アイソスピン応答研究を行い、スピン単極共鳴と二重ガモフテラー状態の性質を明らかにするのが、本研究の目的である。 平成18年度は以下の研究を行った。 ・高分解能磁気分析装置(SHARAQスペクトロメータ):前年度行った基本設計(性能:運動量分解能(p/Δp)14700、立体角2.7msr)に基づき、D2電磁石の仕様を確定し入札を行い製作した。電磁石電源に必要な可飽和リアクトルを製作した。 ・分散整合ビームラインの設計:SHARAQスペクトロメータによる高分解能測定を達成するために、1次の計算に基づいて、双極および4重極電磁石の配置を決めた。また、高次項まで含めたイオン光学計算を行い、多重極電磁石の設置可能性について検討した。 ・ビームライン検出器:低圧動作型多芯線ドリフトチェンバーの設計・製作を行い、実機テストを開始した。 ・理化学研究所との共同研究体制:覚書を締結し、共同研究体制を確立した。 ・二重β崩壊核の中間状態の微視的構造研究:二重β崩壊核^<116>Snについてβ+ガモフテラー遷移強度を(n, p)反応測定をした。これに先立ち測定した^<116>Cd(p, n)反応からは、従来^<116>Cd(^3He, t)で報告され引用されていた結果が間違っているという驚くべき結論を得た。極めて重要な研究成果であり、これにより二重β崩壊核の微視的構造研究が大いに進展した。 ・発熱型荷電交換反応の有効性:米国国立超伝導サイクロトロン施設(NSCL)に於いて発熱型荷電交換反応の有効性を確認する目的で、NSCLの課題採択委員会に実験プロポーザルを提出した。 ・平成17年11月には、磁気スペクトロメータの磁場測定とその解析のための国際ワークショップを開き、詳細な議論を行った。
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