研究課題/領域番号 |
17002010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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研究分担者 |
伊藤 隆司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20374952)
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
畑澤 順 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70198745)
山崎 浩道 サイクロトロン, ラジオアイソトープセンター, 教授 (00166654)
伊藤 伸彦 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (00159899)
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キーワード | PET / 半導体PET / 核医学 / 分子イメージング / CT / 半導体検出器 / 放射線計測 / 原子力学 |
研究概要 |
検出器の小型化により、PET装置の空間分解能の向上が望めます。本研究は、小型化可能で検出感度に優れた化合物半導体検出器を利用することでPET装置の分解能向上を図るものです。これまで、私たちはCdTe半導体検出器を用いた小動物用PET装置を開発し、これを医学研究へ応用することに成功しております。今年度は、最終目標であるヒト用PET装置の開発を行いました。 ヒト用装置では、位置敏感型検出器を使用により測定システムの規模を縮小し、さらに、これらを高密度に積層することが空間分解能を向上するために極めて有効です。まず、今年度はこれまで開発された1×1mm^2の位置分解能を持つ検出器の積層方法の最終仕様の検討と、これに基づいた積層検出器ブロックの開発を行いました。 本装置において、検出器からは検出時間を反映する信号と位置情報を示す信号が発生します。これらの信号を適正に増幅・整形・処理するには、最適化された専用電子回路が必須です。この積層検出器ブロックに2つの専用電子回路ボードを搭載しました。1つは正確な時間情報を取得するための電荷型アンプボード、もう1つは高性能ICを搭載した位置情報取得用ボードであり、本開発において最適な仕様を検討し、その作成を行ったものです。 測定データは高速で収集する必要性があります。このためのデータ収集装置の開発を行い、最大240MB/Sのデータ収集を可能にしました。 これらの要素技術を組み合わせることにより、高分解能ヒト用PETシステムを構築しました。この装置は12個の検出器ブロックから構成されており、直径45cmの開口径を持つもので、高解像度の頭部診断画像を取得可能なものです。 本PET装置は、1mm^3の小型検出器を総数307,200個/480cm^3(=640個/cm^3)並べた検出器高集積型PETに対応し、ヒト用としてはこれまでの約20個/cm^3(SIEMENS HRRT)を大きく上回る世界で最初の約1mmの空間分解能を持つ3次元位置敏感型ガンマ線検出器ブロックを搭載したヒト用PETであります。
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