研究課題/領域番号 |
17002012
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大石 進一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20139512)
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研究分担者 |
渡部 善隆 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教授 (90243972)
西田 孝明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70026110)
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50114088)
山本 野人 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30210545)
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キーワード | 数値解析 / 数値計算 / 非線形方程式 / 情報数理 / アルゴリズム |
研究概要 |
当初の研究に沿って順調に進展している。具体的に成果を以下に述べる。 1.大規模スパース連立一次方程式に対する精度保証法の開発 (1)反復解法で得られた数値解を精度保証する理論の特性を生かし、数十万次元の問題に対して精度保証が可能になった。また、ダイレクトスパース解法を用いる精度保証法を開発した。(2)大規模な正値対称行列の逆行列のノルムの上界を精度保証付きで計算する方法を開発し、数値解を高速に精度保証する方法を開発した。 2.誤差無し内積計算法の発展と応用 (1)浮動小数点数を要素とするベクトルの内積を演算誤差無しに高効率で計算する方式を開発し、任意多倍長浮動小数点演算をソフトウェア的に高速・ポータブルに実現できた。(2)(1)を基に高条件数の正値対称行列の高精度コレスキー法を開発し、正値性の高速な数値的検証法の開発を行った。 3.偏微分方程式に対する解の数値的検証法の検討 (1)散乱問題の線形弱特異積分方程式に対して、一意存在証明と解の存在範囲の検証法を数値的に開発し、実用的な問題に対しても適用可能なことを示した。(2)熱対流問題の分岐解の数値的検証を3次元に拡張定式化し,一部検証に成功した。(3)重調和方程式の有限要素解に対する構成的な事前・事後誤差評価を得た。(4)有界領域でストークス方程式の解の最大正則性原理を示し,対応するナヴィエ・ストークス流の自由境界値問題の解の一意存在を示した。これにより,問題の計算機援用証明を行うための理論的な検討を進めた。 4.カオス系を含む常微分方程式系の計算機援用証明法の検討 (1)発展方程式へ応用できる初期値問題の精度保証法を開発した。(2)境界値問題の精度保証法における計算コストの低減についての研究を行った。(3)境界値問題の一意性を仮定した際の初期値問題・境界値問題についての精度保証法の相互関係を明白にし、新しい初期値問題の精度保証法を確立した。
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