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2007 年度 実績報告書

興奮性シナプス伝達調節分子機構の生後発達変化

研究課題

研究課題/領域番号 17002013
研究機関同志社大学

研究代表者

高橋 智幸  同志社大学, 生命医科学部・設置準備室, 教授 (40092415)

研究分担者 辻本 哲宏  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40212055)
キーワードKチャネル / Caチャネル不活性化 / Calyx of Held / 生後発達 / 伝達物質放出 / Calmodulin / AMPAレセプター / 残存Ca
研究概要

1.ラット脳幹聴覚中継シナプスcalyx of Heldのシナプス前末端において、伝達物質放出を制御する電位依存性K電流を記録して、その生後発達変化を解析した結果、生後7日から聴覚獲得後の14日にかけてK電流のKv1、Kv3成分の密度が2-3倍上昇し、チャネル活性化時間が短縮し、14日以降は一定値を取ることが明らかになった。更に特異的ブロッカーの作用から、Kv1はシナプス前末端における発火の安定に寄与し、Kv3は高頻度伝達に寄与する役割が明らかになった。シナプス前末端Kチャネルの生後発達変化によって、この聴覚中継シナプスが高信頼性高頻度伝達を獲得すると結論された(Nakamura & Takahashi, 2007)。
2.リアノジン受容体の特異的活性化剤として知られる4-CmCがcalyx of Heldシナプス前末端のK電流を抑制することによって、神経刺激で誘発される伝達物質放出を最大4倍増強することを見出した。また、この作用はリアノジン受容体活性化作用とは別個の作用であることが明らかになった(Suzuki et. al, 2007)。
3.聴覚開始以前のcalyx of Heldのシナプス前末端においては、電位依存性Ca電流がCa/calmodulin依存的に不活性化することによってシナプス短期抑制がもたらされるが、聴覚開始後に、このメカニズムは著しく減弱することを見出した。その原因は、生後発達に伴う、シナプス前末端内の残存Caの集積の減少にあることが明らかになった(Nakamura et. al, 2008)。
4.活動依存性シナプス短期抑制に対するAMPAレセプター脱感作の寄与は、生後発達と共に減少するが、その原因は、伝達物質放出確率の減少、およびAMPA受容体サブユニットGluR1の発現低下にあることを明らかにした(Koike-Tani et. al, 2008)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Developmental changes in calcium/calmodulin-dependent inactivation of calcium currents at the rat calyx of Held2008

    • 著者名/発表者名
      Nakamura T, Yamashita T, Saitoh N and Takahashi T
    • 雑誌名

      J. Physiol. (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of AMPA receptor desensitization in short-term synaptic depression at the calyx of Held in developing rats2008

    • 著者名/発表者名
      Koike-Tani M, Kanda T, Yamashita T, Takahashi T
    • 雑誌名

      J. Physiol. (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Developmental changes in potassium currents at the rat calyx of Heldpresynaptic terminal2007

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Y and Takahashi T
    • 雑誌名

      J. Physiol. 581.3

      ページ: 1101-1112

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://synapse.doshisha.ac.jp/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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