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2005 年度 実績報告書

染色体の均等分裂と還元分裂の違いを作る分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17002014
研究機関東京大学

研究代表者

渡邊 嘉典  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (20212326)

キーワード減数分裂 / 還元分裂 / 動原体 / 染色体接着因子 / セントロメア
研究概要

今までの我々の研究から、染色体接着因子Rec8は減数第一分裂特異的な還元分裂の確立に必須であり、Rec8を欠損させると減数第一分裂の分配様式が還元型から均等型へシフトしてしまうことが分かっていた。セントロメアの中央領域は微小管との結合を介して、おそらく均等型あるいは還元型という方向性の決定に重要な働きを担っている可能性が示唆されており、中央領域に局在するRec8が還元型(一方向性)の姉妹動原体の確立に重要な役割を果たしていると考えられた。しかし、このRec8に依存した還元型染色体分配の確立機構はまだ明らかではない。還元分裂に必要なさらなる因子を遺伝学的スクリーニングにより探索した結果、新規因子Moa1(monopolar attachment)が単離された。moa1破壊株では減数第一分裂で還元分裂ではなく均等分裂を行う細胞の割合が増加した。さらに組み換え反応に欠損を生じる変異を導入したmoa1 rec12二重変異株では、全ての細胞で均等型の分配が観察された。(ちなみに、rec12破壊株単独ではほとんどの細胞で還元型染色体分配が観察されることが示されている。)また、Moa1は減数第一分裂に特異的に発現してセントロメアの中央領域にのみ局在すること、およびRec8と相互作用することがわかった。さらに、セントロメア中央領域のRec8を特異的に不活性化すると、moa1変異株と同一の表現型を示した。以上より、Moa1が減数分裂において姉妹動原体の一方向性の制御において、Rec8の機能を補助し、セントロメア中央領域の接着を確立することにより、動原体が同一方向へ向くようにしていると考えられた。これにより、先の「動原体の接着モデル」の信憑性が裏付けられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] The kinetochore protein Moa1 enables cohesion-mediated monopolar attachment at meiosis I.2005

    • 著者名/発表者名
      Yokobayashi, S., Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Cell 123

      ページ: 803-817

  • [雑誌論文] The importance of being Smc5/6.2005

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biol. 5

      ページ: 239-331

  • [雑誌論文] Sister chromatid cohesion along arms and at centromeres.2005

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Trends Genet. 5

      ページ: 405-412

  • [雑誌論文] Shugoshin : guardian spirit at centromere.2005

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Curr.Opin.Cell Biol. 17

      ページ: 590-595

  • [産業財産権] 特許出願2006

    • 発明者名
      夏目 徹, 渡邊 嘉典, 北島 智也
    • 権利者名
      独立行政法人産業技術総合研究所
    • 産業財産権番号
      出願番号2006・2924
    • 出願年月日
      2006-01-10

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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