研究課題/領域番号 |
17002018
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 特任教授 (90022730)
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研究分担者 |
西岡 憲一 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教 (80370120)
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キーワード | 細胞記憶 / クロマチン / ショウジョウバエ / マウス / GAGA因子 / FACT / 超らせん化因子 / non-coding RNA |
研究概要 |
1.GAGA因子-FACT-Brm複合体により誘起されるクロマチンダイナミクスの実態と細胞記憶の分子機構解明 2種類存在するクロマチンリモデリング因子Brm複合体のうち、PBAP複合体にのみ含まれるPolybromoの変異株を用意し、PolybromoとGAGA因子やFACTとの間に遺伝学的相互作用があることを示した。 2.GAGA因子-FACT複合体がPEVに果たす役割の解析 Flagタグ付きHIRAを発現するtransgenic flyとFlag抗体ビーズを用いた共免疫沈降法により、HIRAがGAGA因子と相互作用していることを示した。 3.Pc/trax応答領域におけるnon-coding RNAの転写とAshl複合体が細胞記憶に果す役割 FlagとHisタグ付きAshlを発現するtransgenic flyから、抗lag抗体ビーズ、Ni-NTAレジンとグリセロール密度勾配配遠心を用いてAshl複合体を精製した。現在、この複合体のヒストンメチル化活性について解析している。 4.超らせん化因子SCFがX染色体量的補正に果す役割の解明 Chip on chip法を用いてSCFの分布をゲノムワイドに解析した。その結果、SCFはゲノム内に散在するTGリピート配列に好んで結合していることが判った。 5.ショウジョウバエで明からにした細胞記憶のメカニズムの普遍性をマウスで検証する mASHlノックアウトマウスでHox遺伝子群の発現をin situハイブリダイぜーションで解析したところ、発現パターンに異常が見出され、マウスでもAshlはHox遺伝子の発現制御に関わることが示唆された。また、mSPT16ノックアウトマウスのヘテロ個体で免疫グロブリン遺伝子クラススイッチに偏りがあるという興味深い結果が得られた。
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