研究分担者 |
萬 伸介 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40019849)
山田 春樹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00092578)
藤井 斉亮 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60199289)
中村 亨史 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (70303394)
清水 美憲 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90226259)
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研究概要 |
1.小学校・中学校段階で以下の11の実践授業を計画し,実践した。 (1)小学校段階 (1)二位数に二位数をかける計算の仕方を考える。(小3) (2)周の長さが78.5cmの円をかこう。(小5) (3)紙のおよその枚数を能率的に求める。(小6) (4)画用紙の枚数は何枚?(小6) (5)地図の面積を求めよう。(小6) (2)中学校段階 (1)正負の数,文字と式,方程式の利用と比例的推論(中1) (2)「同じ形の長方形」の意味を考える場面における,比例式の導入(中1) (3)高橋尚子選手の記録を使って比例と見なすことの指導(中1) (4)ロープウエイに乗って荒川ダムが見える時間を考えるからの相似の導入(中1) (5)平成18年の花粉症対策(中2) (6)売上金額の一番多いTシャツの値段を設定することから二次関数の導入(中3) 2.小学校・中学校・高等学校段階のカリキュラムの試案を作成した。 本研究では,比例概念の形成を中心としたカリキュラム構成を考えた。この立場から現行カリキュラムを批判的に分析した結果割合から比ならびに比例へと数学的に発展させる過程で,比例概念を顕在化させ,同種,異種を問わずに比例式で問題を考えさせる展開を取り入れたいと考えた。実践授業では,これらの内容が指導可能なのかを評価することを目的として行った,結果的には,多くの学習者に受け入れられたと考える。 現在の算数数学のカリキュラムでは,比は同種に限る伝統が残っていることや,相似や平行線と比の性質が中学校3学年となっていることから,比例解法が指導させるのは中学校3学年である。また,このこともあって比例の学習では比例式による解法は扱われていない。これらを扱うとしたときのカリキュラム構成の提案は,高等学校段階まで波及する。以上の実践授業ならびに分析を踏まえて,カリキュラムの試案を再度,作成した。
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