研究課題/領域番号 |
17011021
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
藤江 康彦 お茶の水女子大学, 子ども発達教育研究センター, 助教授 (90359696)
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研究分担者 |
酒井 朗 お茶の水女子大学, 子ども発達教育研究センター, 教授 (90211929)
磯村 陸子 千葉経済大学, 短期大学部, 講師
大家 まゆみ 東京女子大学, 文理学部, 講師 (00385379)
刑部 育子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (20306450)
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キーワード | 教育系心理学 / 教室談話 / 科学教育 / 認知発達 / 移行期 / 学習動機 / 学習指導 / 小中連携 |
研究概要 |
少学校から中学校への移行期の理数系教科における子どもの学習の様相を明らかにする短期縦断研究の1年目である。以下の研究を通して、理数系教科学習への動機づけを高め認知発達を促進する学習環境の要件を明らかにする。対象は首都圏の小5〜中2(小学校8校、中学校3校、計約1800名)。 【研究I】(教室談話の生成過程の分析)時期;2005年4月〜2006年3月。内容:数校における参与観察(観察日誌を授業者へフィードバック)。授業者への半構造化面接。教科観、授業観、子どもや学級の看取りのあり方、移行期の学習指導における意思決定のあり方やその背景が明らかになった。結果:中学校では小学校での学習経験を基盤としながら、意味や発想の違いをより端的に気づかせる工夫がなされていた。例えば「符号のプラス」と「演算記号のたす」は、表記としては同一の「+」であってもその意味が違うということを事例として取り上げ、式や計算の算数的な意味から数学的な意味への移行に気づかせようとする点に、移行期における指導のあり方が示された。 【研究II】(理数科系教科の学習動機を高める要因の検討)時期:2005年9月〜11月、2006年1月〜2月。内容:学業的コンピテンス、学習力、理数教科への学習動機などの尺度からなる質問紙調査。結果(第1回のみ。第2回の結果は分析中):学習動機は、算数・数学が学年進行に伴い低下しているのに対して、理科は小5〜小6では低下しているものの中学校入学を機に上昇し安定していた。学習力は、各校種内で学年進行に伴って低下するが、移行期においては上昇していた。実態としての低下ではなく学習行為の透明化や行動の自動化の可能性もある。教科への満足度について、算数・数学は学年進行に伴って低下していたのに対し、理科は中1までは学年進行に伴って低下し中2で飛躍的に向上している。中1理科の学習内容や指導のあり方について再検討の必要性が示唆される。 なお、縦断研究であるため、成果の公表は来年度重点的に実施する。
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