研究概要 |
本研究の究極の目的は,初等中等教育現場で使われる教科書に添ったデジタル学習教材を開発し,実際の授業で活用して評価し,より洗練された教材として完成させることである.平成17年度の研究成果は次のようである: (1)天文分野については,周辺の小中学校や高校と連携して,天体望遠鏡(スピカ)の製作を取り入れた授業実践を行った.金星の満ち欠け,火星大接近、星座画像集などのコンテンツを開発した. (2)気象分野については,雲の画像や天気の移り変わりに関する教材を開発した.特に,気象衛星画像を用いて日本列島周辺の天気の移り変わりや気象現象のweb化を進めた.気象光学現象のデータベースも作成した. (3)3D地形表示ソフトを用いて,火山地形の3Dコンテンツを開発した.三宅島の火山地形,地層,植生についてのコンテンツを開発した. (4)チョウの食草を植えた花壇「チョウの楽園」を整備し,さまざまなチョウの生態や幼虫の成長のようすを教材化した.ツマグロヒョウモンやヤマトシジミについては,食草と幼虫を植木鉢で飼育できるようにしたものを小中学校へ提供し,授業実践を行った. (5)被子植物,昆虫,珊瑚礁の無せきつい動物の画像を収集し,デジタル図鑑を作成した.「虫の目カメラ」によるコンテンツを試作した. (6)ものの温まり方,物質の性質,酸性・アルカリ性などについても,デジタルコンテンツを作成した. これらのコンテンツのいくつかについて,小中学校の授業で活用し,有効性を検証した.
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