研究課題/領域番号 |
17011048
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
麻生 武 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70184132)
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研究分担者 |
本山 方子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30335468)
天ヶ瀬 正博 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00254376)
大石 正 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (30112098)
上江洌 達也 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (10160160)
水間 玲子 奈良女子大学, 文学部, 助手 (80343268)
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キーワード | 科学観 / 自然観 / 理数科系教育 / 科学への学習意欲 / 科学への好奇心 |
研究概要 |
17年度に行った研究は主として以下の3つある。 (1)附属小学校において理科を専門とするS教員とT教員のクラスを現在縦断的に観察中である。小学1年生のクラスにおける理科的活動がどのように子どもたちの理科的なものへの感心を引き出しているのか、子どもたちの「理科志向の萌芽」につい観察を行っている。小学3年生のT教員の学級では、理科における「太陽の運行」のを調べるという授業を中心に、「調べる」という多義的なことばが、どのように学習や子どもたちの探索活動を促しているのかをフィールド研究で明らかにしつつある。 (2)附属中等学校の3年生(中3)と4年生(高1)の計247名に対して、SSH関連で企画された医学の著名な研究者の「生命」に関する講演会の前後で、生徒達の医学観や科学観がどのように変化するのかを2回のアンケートによって調査し分析した。表1に示した、講演前と講演直後に同一の問1から問15までの質問を行った。評定は、6段階で行った。問4***医学の進歩は自然科学の進歩と深く結びついている.(4.2⇒4.5)、問5***医学はあまりにも科学技術化しすぎている.(3.5⇒3.8)、問14***宗教学に関心がある.(2.5⇒2.8)、問15***科学に関心がある.(3.6⇒4.0)、など一見すると相反する方向いずれにも「そうおもう」の程度が増加していることが興味深い。講演の影響力が、少なくとも短期においては顕著であることが理解できた。 (3)次年度に小中学生や大学生の「科学と人間の未来との関係」「科学への学習意欲」「自然観」などについて調査する前段階の調査として、現在、奈良女子大学文学部・理学部・生活環境学部の前教員に「科学観」「自然観」に関するアンケートを配布している最中である。目下、回収率が非常に悪いため、大学教員の協力を得るために改めて依頼しつつある。理数系離れは科学観の変容と深く関連しているというのが私たちの仮説である。
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