研究分担者 |
中村 純 広島大学, 情報メディア研究センター, 教授 (30130876)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア研究センター, 助教授 (90231381)
長登 康 広島大学, 情報メディア研究センター, 助手 (60294477)
佐々井 祐二 大島商船高等専門学校, 電子機械工学科, 助教授 (40235239)
深澤 謙次 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50238440)
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研究概要 |
今年度の研究では,科学教育において効果的な計算機シミュレーションを構築するための基礎となる科学的な概念の把握過程に着目し,計算機シミュレーションによる抽象概念把握をテーマに研究を実施した.このため,計算機シミュレーションを利用し抽象概念を捉える事を目的とした電子教材開発を行った。これと並行する形で,高校物理に対象を絞った教材開発と開発した電子教材の普及を図る準備としてパッケージ化を進めている.具体的な研究実績としては, 1 抽象概念と計算機シミュレーション(稲垣,中村,長登) 従来の研究で開発したシミュレーション教材では,現象を単純なアニメーションにし,各種パラメータを操作できることでその現象に対する興味を喚起することができている.本研究では,これに加えて,問題を比例関係等視覚的に認識の容易な場合に帰着させ,現象を記述するのに便利な数量の存在に気付き,基礎概念を記述する数量と現象の関係を把握することを狙いとしたシミュレーション教材を作成した.これにより,自然現象を単に体感するだけでなく,関連する方程式等に対する定量的な理解を進める事ができると考えられ,教育効果調査の準備を進めている. 2 高校物理を対象としたシミュレーション教材のパッケージ化(稲垣,隅谷,佐々井,深澤) 高校物理I、物理IIを対象に,学習指導要領の各項目について学習者が把握しにくいポイントを調査し,調査結果に、挙げられた12の項目についての計算機シミュレーションの有効性を検討し,これまでに開発した教材を見直すと共に,不足する項目に関する教材を開発した.さらに,次世代教材開発者の養成という観点から,本プロジェクトの中で利用しているAction Scriptによる電子教材開発の入門講座を開催した.実際に高等専門学校の生徒によるコンテンツ開発も始まっており,入門レベルの資料を蓄積し配信することで,学習者を含め教育現場での新しい教材開発、改良を促す事ができると考えている.
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