研究概要 |
近年,将来の科学技術を担う児童生徒に科学技術や理科に対する興味・関心を培い,知的好奇心を高め,論理的思考力や創造性を伸ばす教育指導法や教材の開発が求められている。一方,衛星放送,携帯電話など電磁波を使った通信技術は,我々の環境に必要不可欠な技術になっている。その中で,電子レンジ・携帯電話などは身近な電磁波を使った電子機器である。電子レンジ内では,マイクロ波の電磁波が発生している。誰しも電子レンジは,「なぜ,短時間で食品を温めることができるか」という疑問を持つ。しかしながら,電磁波は目に見えないので,その理由を簡単に理解することは難しい。これまで,電子レンジを用いた教材はいくつか開発されている。しかしながら,その疑問に答える教材は開発されていない。 本研究では,実際に小学校教諭,児童との密接な連携を図ることで,身近な道具(インク,ビーカー,金網など)を使って,電子レンジ加熱の仕組みを考える教材開発を行った。具体的には、(1)体験前の児童生徒による電子レンジ認識調査、(2)電子レンジの教材開発、(3)出前授業での教材を用いた児童生徒の体験学習を実施した。電子レンジの認識調査結果では、電子レンジ内での加熱は光や熱対流によると考える生徒がほとんどであることが分かった。この調査結果を基に、非光加熱実証実験と非対流加熱実証実験に関する2つの教材を開発した。この2つの電子レンジ教材を通して、体験後の生徒のアンケート結果から、この教材を通して,体験前と後で,児童生徒の電子レンジに対する認識が大きく変わった。
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