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2006 年度 実績報告書

脳科学による立体図形学習時の具体物操作とディスプレイ映像操作の差異に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17011064
研究機関佛教大学

研究代表者

黒田 恭史  佛教大学, 教育学部, 助教授 (70309079)

研究分担者 前迫 孝憲  大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (00114893)
江田 英雄  光産業創成大学院大学, 統合エンジニアリング部門, 助教授 (00395237)
キーワード脳科学 / 幾何教育 / デジタル映像 / 具体物操作 / 空間認知
研究概要

目的:小学生を対象として,図形課題遂行時における脳内ヘモグロビン濃度計測を通して,学習過程の生理学的解明を行う。また並行して計算課題遂行時のヘモグロビン濃度計測を通して,両者の比較を行う。
計画:前年度,大学生用に開発・実践した図形課題をもとに,小学生用に難度を調整したジグソーパズル課題を開発する。なお,前年度大学生で実施したディスプレイ課題実験は,小学生の予備調査で難度が高すぎたため,実物課題での実験とし,その特徴について詳細に検討することとする。また,前年度,大学生用に開発・実践した2種類の計算課題(筆算課題,虫食い算課題)の難度を,小学生用に調整する。上記の課題をもとに,図形課題及び計算課題遂行時における,小学生の脳内ヘモグロビン濃度計測を実施し,学習過程の生理学的解明を行う。
成果:被験者(小学生4名)に対して,上記の図形課題及び計算課題を用いて,脳内ヘモグロビン濃度計測を実施した。その結果,図形課題では,課題をスムーズに終了した被験者では,oxyHb, deoxyHbとも上昇せず,課題遂行に最も時間を要した被験者ではdeoxyHbの増加が顕著であった。これは,前年度に実施した大学生を被験者とした図形課題実験と同様の結果となった。一方,計算課題では,筆算課題と虫食い算課題遂行時の脳内のヘモグロビン濃度変化は,被験者の難度の感じ方の差異に影響することが示された。課題遂行に非常に時間を要した被験者の場合,deoxyHbの増加が見られ,虫食い算でその傾向は顕著であった。今回は,図形課題と計算課題の関連については,明確な結果を得ることができなかったが,被験者の捉える難度の差が,2種類のヘモグロビン濃度変化の上下変動に対応するという傾向は共通して見られた。また,deoxyHbは各部位の酸素消費によって生じることから,課題遂行時に神経活動が発生している部位の特定の可能性が示されたといえ,学習時の脳内メカニズムの解明につながるものであると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 逆思考課題遂行時における学習過程の特徴-ヘモグロビン濃度変化のマッピングを通して-2007

    • 著者名/発表者名
      黒田恭史
    • 雑誌名

      教育学部論集(佛教大学) 18

      ページ: 1-11

  • [雑誌論文] 数学教育の脳科学の数学教育への応用の可能性とその限界2006

    • 著者名/発表者名
      黒田恭史
    • 雑誌名

      数学教育学会誌 Vol.47 No.1-2

      ページ: 37-44

  • [雑誌論文] 立体構成課題における前頭前野の酸素消費の特徴について2006

    • 著者名/発表者名
      岡本尚子
    • 雑誌名

      臨床脳波 Vol.48 No.6

      ページ: 364-370

  • [図書] 脳科学の算数・数学教育への応用2007

    • 著者名/発表者名
      黒田恭史
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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