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2007 年度 実績報告書

がん遺伝子産物の構造的ライフサイエンス

研究課題

研究課題/領域番号 17012009
研究機関東京大学

研究代表者

濡木 理  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10272460)

研究分担者 石谷 隆一郎  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90361568)
キーワードがん化 / がん細胞の転移 / 細胞骨格再構築 / 開口放出 / 転写因子 / TGF-βシグナル / 細胞内ホメオスタシス
研究概要

MgtEマグネシウムチャネルは、細胞内マグネシウム濃度に応じてチャネルを開閉することで、細胞内のマグネシウム濃度を一定に保ち、細胞内ホメオスタシスに働いている。我々は、計算機シミュレーションにより、マグネシウム濃度に依存した、細胞質ドメインの閉構造から開構造、開構造から閉構造の構造変化を計算機中で再現することに成功し、N末端のNドメインが閉構造を安定化するクランプとして働くことを新規に見いだした。以上の構造解析、計算機解析から得られた知見を機能解析により実証するため、我々は、大腸菌で発現している3つのマグネシウム輸送体遺伝子を欠失させたマグネシウム要求性大腸菌株を作成し、相補性およびNi^<2+>、Co^<2+>への感受性を指標とした、in vivoでの相補性実験解析の系を構築した。立体構造および計算機シミュレーションに基づいて設計した計16種類の変異体の解析を行うことで、膜貫通ドメインの残基が輸送活性に重要であること、細胞質ドメインが輸送の制御に働くことを実証した。さらに、このマグネシウム要求性大腸菌株を用いたパッチクランプの系を新たに確立し、電気生理学的解析を行った結果、MgtEは確かに細胞内マグネシウム濃度に依存して輸送が制御されるチャネルであり、閉構造のクランプとして働くNドメインを欠失したり、「Mg^<2+>センサー」ドメインの酸性アミノ酸残基に変異を導入するとこの制御機構が消失することを実証した。近年マグネシウムイオンはカルシウムイオン同様、セカンドメッセンジャーとして働き細胞の恒常化、腫瘍抑制等に働くことが示唆されて来ている。本研究では、MgtEに特異的に結合する抗体を作製し、この抗体との複合体の結晶化を行うことで、現在の結晶構造の分解能である2.9Aを向上しMgtEによるマグネシウム識別機構を明らかにすることを試みた。その結果、細胞質側とペリプラズム側にそれぞれ特異的に結合する抗体の調製に成功し、細胞質側の抗体との複合体に関しては、予備的な結晶化に成功している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 発がんとがん転移の構造生物学2008

    • 著者名/発表者名
      濡木理(以下10名)
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-10-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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