研究課題/領域番号 |
17012018
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山村 研一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (90115197)
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研究分担者 |
川上 穣 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (40363527)
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キーワード | 遺伝子トラップ / Abhd2 / 血管平滑筋 / 遊走脳 / Spink3 / トリプシンインヒビター / 膵腺房細胞 / オートファジー |
研究概要 |
可変型ノックアウトベクターであるpKOXC-DS(lox71-PGK-neo-loxP-polyA-lox2272-MC1-DT-A-polyA)を開発した。これにより、完全破壊後に、興味ある遺伝子の置換、その後の条件的遺伝子破壊が可能である。 昨年度にAbhd2遺伝子が血管平滑筋で発現し、その遊走亢進に関与することを見出した。その後の解析で、重症型の狭心症の冠状動脈でも発現していることを発見したが、この発現は血管平滑筋ではなく、マクロファージでの発現がむしろ高いことを明らかにした。また、マウスでCuff placementを行った際、2相性の発現ピークがあること、前者はマクロファージでの、後者が血管平滑筋によることが推測された。現在、マクロファージにおける機能を解析中である。 カチオニックトリプシノーゲン遺伝子の変異により膵炎が発症するが、この場合の膵癌の発生頻度は50倍以上になる。そこで、まず膵炎のモデルを作製することを試みている。Spink3遺伝子は、トリプシンと結合し、その活性を阻害する分子として発見された。しかし、その破壊マウスでは、膵炎が発症するのではなく、autophagyにより膵臓が消失することを昨年発見した。そこで、高感度の方法で、トリプシンの活性化を測定したところ、わずかではあるが、活性化することを見出した。また、セルレイン誘発膵炎でも、autophagyが誘導されることも見出した。膵炎の原因が、autophagyの誘導によるという仮説をたて、検討しているところである。 別の遺伝トラップ系統の解析から、glycine-rich domainとcoiled-coil domainを持つ新たな遺伝子を発見した。この遺伝子が、発生時期には脊索で、成体では椎間板特異的に発現していることを明らかにした。
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