• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

EBウイルスによる胃がん発症の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17013002
研究機関北海道大学

研究代表者

高田 賢蔵  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)

研究分担者 丸尾 聖爾  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70292018)
岩切 大  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10307853)
キーワードEBウイルス / EBER / トランスジェニックマウス / 小RNA / 胃がん
研究概要

EBER発現トランスジェニックマウスを作製するために、まず、マウス培養細胞におけるEBER高発現系の構築を試みた。EBERはRNA polymerase IIIにより転写されると考えられているため、プロモーターとしてhuman U6, mouse U6, H1, 7SK promoterを検討した。promoter-EBER1-promoter-EBER2という順番のEBER発現plasmid vectorを構築し、NIH3T3細胞に導入して薬剤セレクションによって安定発現株を得た。その結果、human U6 promoter(以下U6 promoter)を用いた場合(U6-EBER)に最も高発現の細胞株が得られ、発現量は、EBウイルスのEBER領域を10個tandemにつなげたplamid vector (EKS10)を用いた場合に比べて、EBER1ではほぼ同等、EBER2では4倍から10倍であった。次にU6-EBERを10個tandemにつなげたplasmid vector (10×U6-EBER)を作製し、NIH3T3細胞で安定発現株を樹立した。その結果、EBERの発現量はU6-EBERに比べて5倍から10倍であった。これらの結果から、EBERトランスジェニックマウスの作製には10×U6 EBERを用いることとした。
トランスジェニックマウスの作製は日本SLCに依頼した。Slc:BDF1マウスの受精卵698個に10×U6-EBERをマイクロインジェクションし、自然分娩によって107のファウンダーマウスを得た。これらのマウスのうち離乳した95クローンについてgenomic DNAを調整し、EBERI全長をPCRとSouthern blotの2つの方法によって検出して、genotypingを行った。その結果、12クローンがEBER positiveであったため、C57BL/6マウスとの交配によりヘミ接合体、ホモ接合体を作製した。作製過程において5系統が死亡したため、7系統の脾臓、胸腺、肝臓よりRNAを調整し、RT-PCRによりEBERの発現量を検討した。その結果、EBERの発現量はバーキットリンパ腫細胞株に比べて1/100以下であった。また、脾臓、胸腺、肝臓の切片を作製し、in situ hybridizationによってEBER1の発現量を検討したところ、脾臓、胸腺では染色が観察されたが、肝臓では観察されなかった。
EBERの発現量が高い4系統について、経時的にphenotypeを観察するために約1年間マウスを飼育したが、胸腺、脾臓、リンパ節の増大、腫瘍の形成といった目立ったphenotypeは観察されなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus-encoded Bcl-2 homologue functions as a survival fact or in Burkitt lymphoma.2010

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, A.
    • 雑誌名

      J.Virol. 84

      ページ: 2893-2901

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantitative evaluation of the role of Epstein-Barr virus immediate-early protein BZLF1 in B-cell transformation.2009

    • 著者名/発表者名
      Katsumura, K.R.
    • 雑誌名

      J.Gen.Virol. 90

      ページ: 2331-2341

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus (EBV)-encoded small RNA is released from EBV-infected cells and activates signaling from toll-like receptor 3.2009

    • 著者名/発表者名
      Iwakiri, D.
    • 雑誌名

      J.Exp.Med. 206

      ページ: 2091-2099

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi