| 研究課題/領域番号 |
17013006
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| 研究機関 | (財)癌研究会 |
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研究代表者 |
野田 哲生 (財)癌研究会, 癌研究所, 所長 (10183550)
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| 研究分担者 |
八尾 良司 財団法人癌研究会, 癌研究所細胞生物部, 主任研究員 (80291095)
柳沼 克幸 財団法人癌研究会, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (40182307)
高野 洋志 財団法人癌研究会, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (00241555)
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| キーワード | 遺伝学 / 遺伝子 / 癌 / ゲノム / シグナル / モデル動物 |
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| 研究概要 |
21年度は、発がん機構においてShhシグナルおよびWntシグナルの下流で機能する遺伝子群の機能解析で、さらなる進展が見られた。われわれが本研究で、Shhシグナル活性化による表皮基底細胞腫の発生において発現亢進が見られることを示したST8Sia2,CTGF,N-mycの3遺伝子は、すべてが遺伝子内への転写因子Gli2の直接的な結合により転写が亢進することが、本年度の研究で示され、これらの遺伝子産物が実際に基底細胞腫において高く発現していることも免疫組織化学により確認された。特に、ST8Sia2は、PSA化されたN-CAMとともに、真皮内への浸潤端で非常に強い発現が見られた。また我々は、これまでの本研究で、TACC3遺伝子がWntシグナルの下流で機能することを明らかにしてきたが、本年度は、このTACC3の高発現が見られるヒトがん細胞は、遺伝子ノックダウンによるTACC3の発現抑制により、M期で増殖を停止し死に至ることが明らかとなった。また同時に、低分子化合物ライブラリーのスクリーニングにより、TACC3阻害剤の同定にも成功した。
22年度は、各モデルマウスを用いて、これらの各遺伝子産物が、実際にがん治療における分子標的となり得ることを強く示唆する成果を得た。誘導性Patched1変異マウスに発生する表皮基底細胞腫は、ST8Sia2の遺伝子ノックアウトにより、その浸潤能の低下が見られ、また、p53遺伝子変異マウスに発生するリンパ腫は、TACC3の遺伝子ノックダウンや阻害剤投与により、その増殖が強く阻害されることが明らかとなった。
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